「食品ロス」と「フードロス」は同じ意味?それとも違う? #専門家のまとめ
「食品ロス」のことを指して「フードロス」と呼ばれることがある。「食品ロス」と「フードロス」は同じなのか、違うのか。
政府はフードサプライチェーンで発生する可食部のロスを「食品ロス」という呼称で統一している。
2019年10月に施行された法律「食品ロス削減推進法」でも「食品ロス」が使われている。
食品ロスを扱う国連のFAO(国連食糧農業機関)ではフードサプライチェーンの前半で発生するものを「food loss(フードロス)」、後半で発生するものを「food waste(フードウェイスト)」と呼んでいる。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
「食品ロス」と「フードロス」の意味は異なる。
「食品ロス」はフードサプライチェーン全体で発生する可食部の損失を指す。
「フードロス(food loss)」はフードサプライチェーンの前半で発生するものを指す。
国連食糧農業機関(FAO)のSOFA(The State of Food and Agriculture, 2019)には次のように書いてある。
フードロス(Food Loss)とは、小売業者、食品サービス事業者、消費者を除く連鎖の中で、食品供給者の判断や行動によって生じる食品の量や質の低下
フードウェイスト(Food Waste)とは、小売業者、食品サービス事業者、消費者の判断や行動によって生じる食品の量や質の低下
日本政府が2024年12月に発表した食品ロス削減の第二次基本方針案には
『我が国が国際社会をリードできるよう、国際的な組織との連携を通じて国際展開を図ることも肝要である』
とある。
そうであれば、国際組織のFAOの呼び方に合わせるのが重要であろう。
「食品ロス」と「フードロス」の意味は異なる。
日本語では「食品ロス」
英語では「Food Loss and Waste」
と呼ぶのが妥当と考える。