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高校生平和大使、オスロ市長と面会「若者と女性の力に期待」

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
若い人たちの平和活動に喜ぶオスロ市長 Photo:Asaki Abumi

5日、ノーベル平和賞の授与式の開催地でもあるオスロ市庁舎で、オスロのマリアンネ・ボルゲン市長が、高校生平和大使と面会した。

船井木奈美さん(広島 英数学館高校3年)、中村涼香さん(長崎 活水高校3年)、山口雪乃さん(長崎 活水高校1年)は、広島市長・長崎市長の新書を届け、活動内容などを報告した。

面会を楽しみにしていた市長は、1時間もの話し合いの時間を設ける。

若い人の行動には大きな意味があるとして、高校を卒業後も「ぜひ平和活動を続けてほしい」と話した。

首都の歴代市長は男性ばかり。ボルゲン氏はオスロでは2人目の女性市長となる。3人の女子高生を目の間に、「女性の力」を発揮して、これからも頑張っていこうと語り掛ける Photo: Asaki Abumi
首都の歴代市長は男性ばかり。ボルゲン氏はオスロでは2人目の女性市長となる。3人の女子高生を目の間に、「女性の力」を発揮して、これからも頑張っていこうと語り掛ける Photo: Asaki Abumi

ボルゲン市長(左派社会党)は、核廃絶に向けて、積極的に活動を続けてきた政治家である。市長になってからは、オスロは2016年に平和首長会議に加盟した。

「ノルウェーは核兵器禁止条約に署名するべき」という提案を、オスロ市議会は今月末の本会議で可決する予定。

言い出したのは市長と知事だ。自治体レベルからの「提案」に、国会と政府が耳を傾けるとは限らない。しかし、「核廃絶を願う人々の思いに、力を注ぐことにはなるでしょう」と市長は取材で答える。

「被爆者の体験を引き継ぐ新しい世代の存在は、非常に貴重」と語るオスロ市長 Photo: Asaki Abumi
「被爆者の体験を引き継ぐ新しい世代の存在は、非常に貴重」と語るオスロ市長 Photo: Asaki Abumi

オスロの動きを、日本へ伝えたい

「市長は私たちの話を真剣に聞いてくださり、とても嬉しかったです」と語るのは船井木奈美さん。「日本も難しい立場にいますが、オスロのようなアプローチ方法もあるのだなと思いました」。

山口雪乃さん「こんなにも積極的に平和に取り組まれている方に初めてお会いしたので、驚きました。日本とはまた違う考え方や動き方を知り、新しいエネルギーをもらえました」。

市長と再会できてよかったと話す中村涼香さん。「市民が肌で感じられるような変化のスピードがオスロにはあり、こういう街もあるんだよということを、帰国後は同世代に伝えたいです」。

別記事「オスロ市「核兵器禁止条約にノルウェー政府は署名を」

「高校生平和大使がノルウェーの若者とオスロで交流」

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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