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【アイスホッケー】 氷上の「早慶戦」 慶應が歴史を変えるのか!? 早稲田が連勝を伸ばすのか!?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
早慶アイスホッケー定期戦(Photo:Jiro Kato)

新年度を迎えて、学生スポーツの話題も聞かれ始めていますが、大学スポーツ界に於いて、あらゆる競技で激しいライバル関係にあるのは、早稲田大学慶應義塾大学

今月末に神宮球場で行われる野球の早慶戦に先駆けて、両校が氷上で激突する第63回・早慶アイスホッケー春季定期戦が、明日横浜市で開催されます。

▼日本のアイスホッケー界屈指の熱い戦い

早慶アイスホッケー定期戦は、年に2回開催され(過去に未開催の時もあり)、慶應がホスト校となる春季定期戦は、日吉キャンパスにも近い新横浜スケートセンターで。

対して、早稲田が主催する冬季定期戦(以前は秋に開催)は、西東京市にある東伏見キャンパスのお膝元のダイドードリンコ アイスアリーナで、それぞれ行われています。

OB戦(稲門クラブ vs 三田クラブ)や付属高校の対戦(早稲田実業学校 vs 慶應義塾高校)

さらに、フィギュアスケートのエキシビションなどに続いて、両大学のアイスホッケー部が激突する「現役戦」が繰り広げられますが、応援団や卒業生たちが駆けつけスタンドは満員に!

また、春季、冬季ともにテレビ中継もあり「日本のアイスホッケー界屈指の熱い戦い!」と呼ばれるほどの盛り上がりを見せています !!

▼対戦成績は早稲田が圧倒

スタンドの応援合戦は甲乙つけ難いほどの熱さになっているのと対照的に、春季定期戦の戦績を見ると、

早稲田 → 51勝  慶應 → 10勝 引き分け → 1

と早稲田が大きくリード。

しかも、ホスト校の慶應が第22回大会で8-4のスコアで勝利して以来、早稲田が引き分けを挟んで「39連勝中!」と圧倒しています。

ちなみに、慶應が最後に勝利した1970年代半ばは、もちろん現役生は生まれる前。

当時を振り返ると、、、

官製ハガキ → 「10円」

封書(定形サイズ最低料金) → 「20円」

国鉄(現JR)初乗り運賃 → 「30円」

タクシー基本料金 → 「280円」

1USドル → 「290円台」

という時代を最後に、慶應は白星から遠ざかっているのです。

▼今季最初の対戦は慶應が勝利

ホスト校の慶應は、学生やOBも多く集まる春季定期戦で、「41大会ぶりの勝利」を手にしたいところですが、今季の慶應は新年度を迎えて最初の公式大会となった「秩父宮杯・関東大学選手権」で、第1ピリオドに幸先良く3点を先制し、その後の追撃を振り切って、5-3 のスコアで早稲田に勝利。

それだけに、現役生やOBたちの期待は、いやが上にも高まります!

▼慶應は歴史を変えられるのか!?

一昨季から慶應の指導にあたっているのは、スマイルジャパン(女子日本代表)の監督も歴任する山中武司ヘッドコーチ。

スマイルジャパンの監督も務める慶應義塾大学の山中武司ヘッドコーチ(Photo:Jiro Kato)
スマイルジャパンの監督も務める慶應義塾大学の山中武司ヘッドコーチ(Photo:Jiro Kato)

春季早慶戦を前に「そう簡単にはいかないですよ」と手綱を引き締めていましたが、関東大学選手権で早稲田に勝利した際は、監督を務めるスマイルジャパンの世界選手権と重なり「飛行機で成田に着いて結果を知りました」とのこと。

果たして今度は、自らがベンチで采配を振るって、”歴史が変わる瞬間”を目の当たりにすることができるでしょうか?

▼名選手たちのジュニアも活躍中!

余談になりますが、慶應には元国土計画の運上一美氏の息子さんの雄基選手(FW・1年生)が。

対する早稲田には、元王子製紙の矢島敏幸氏の息子さんの雄吾選手(FW・3年生)が、それぞれ在籍するなど、かつて日本のアイスホッケー界を牽引し続けた名選手たちのジュニアも活躍中!

「しばらく日本のアイスホッケーを見ていないな」というオールドファンの方も、会場だけでなくテレビ中継の予定もありますので、ご覧になられては、いかがでしょう?

<追記>テレビ中継は、5月20日(土)午後1:00~1:55の録画放送です。(詳細はこちらをご覧ください)

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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