ワークショップや限定アイテムも要チェック!今週末の文具イベント@青山スパイラル ミドリ70周年
70年間の足跡をたどるイベント
1950年、ミドリは飛脚の印の便箋で事業をスタートしました。それから70年。ノートや手帳、祝儀袋やクリップなど、手帳や文具のファンに広く親しまれるメーカーになりました。正確には、2007年にデザインフィルと社名変更。ミドリは現在ではブランド名です。そのミドリ70年の歴史を見て読んで体験できるのがミドリ70周年体験イベントです。
こんにちは。デジアナリスト・手帳評論家の舘神龍彦です。
今回は、青山スパイラルで開催されたミドリ70周年イベントを取材してきました。一般公開は今週金曜日から。同社の70年の歴史は、単に懐かしいものがたくさんというよりは、「定番の定番たる理由」「あの製品の原型がここにあるのか」「あの製品はこんなふうにつくられているのか」というようなもろもろのおどろきがありました。では順に見ていきましょう。
まず、入って目につくのが「ミドリ70の魅力」。同社の定番文具を70点セレクトして展示したコーナーです。そのトップバッターは「ダイヤメモ」。同社の定番中の定番のメモ帳です。ドレスシャツのポケットに入るサイズ感といい、リング綴じでひっかかりがない開き方といい罫線の4分割といい、まさにしっくりくるメモ帳です。
構造上の特徴や使い方の例が製品の実物とともにパネルで表示されています。
こんな感じでセレクトした70点をざっと見たあとに目に入るのが、「ミドリの紙」書きくらべ。MDペーパー用紙から春秋用紙まで手帳や便箋に使われる5種類の代表的な紙の描き比べができます。そしてお気に入りの紙は壁に貼られたそれぞれの樹木のイラストに葉っぱのシールをはって投票できるしくみです。私は便箋用の春秋用紙がクッション性が高くじっくり書くのにいいと思いました。
30%に縮小された文具
圧巻だったのは、「ミドリを全部」と題された丸い展示コーナー。ミドリブランドの各製品が、30%のサイズに縮小されて作られ、展示されていました。日記製品などは書き文字までしっかりあります。また各種の祝儀袋も水引きまで再現。写真は1円玉とならべて撮ったところですが、いかに小さいかをこれで実感していただければと思います。
ミドリ製品はこんなふうに作られる
そして、「ミドリのつくり」のコーナー。ここはミドリブランドの製品がどんなふうに作られているのかを解説しています。例として出ていたのはパルプストレージという再生紙から作られた紙製のボックス。牛乳パック、新聞紙、ダンボールのそれぞれを溶かして型にはめて成形。さらに不要部分を切り落として完成させる。その工程がきちんと理解できました。
ミニクリーナーの原型はこれ?
また、2Fに通じるらせん型の階段壁面には70年間における代表的な製品を説明のパネルとともに展示。個人的に面白かったのは、'70年代に爆発的にヒットしたグルーピーケース。また、ミニ家電シリーズの「すいとるくん」は、後のミニクリーナー(1998年)の出現を予言するというか、その原型をみるような思いでした。
そのほか活版印刷の体験ワークショップでは、文庫サイズのノートの表紙に活版の印刷を体験できます(※要申し込み。参加定員あります)。
とまあこんな感じで、文具好きならば堪能、感動、実感ひとしおのイベントです。
また、ポップアップストアも開設されています。70周年記念の限定アイテムは今回ここでしか手に入らないかも。ちなみに私は、限定のMD万年筆を購入しました。
知っているものを再確認し、知らないものを発見する。ミドリ70周年イベントは、単に一つのメーカーの歴史を概観すると言うだけでなく、その中に、いろいろな発見があります。
一般公開は11月12日(金)~14日(日)までの3日間です。会場の青山スパイラルホールは、営団地下鉄の表参道駅から徒歩3分。入り口を入ってすぐの左手にタイトルの写真のような看板が出ています。
詳しい情報は以下のイベント特設サイトをご覧ください。
https://www.midori-japan.co.jp/70th/events/midorisp/