「売れ残り」は過去のイメージ 近年増加中の「完成販売」が有利なマンションの特徴は
建物ができあがった状態で販売される新築分譲マンションを「完成販売」とか「完成売り」と呼ぶ。20世紀まで、建物ができあがっても販売を続けるマンションは「売れ残り」とみなされ、建物が完成してなお売り続ける住戸を「完成在庫」とも呼んだ。
つまり、建物が完成してもなお販売を続ける分譲マンションは好ましい印象を持たれなかったわけだ。しかし、21世紀に入ったあたりから、状況が変わってきた。
建物が完成してから販売を開始するマンションが出現するようになったこともあり、完成売りマンションは「売れ残り」と呼ばれなくなった。当然、ネガティブなイメージも払拭されつつある。
建物が完成してから販売を開始するのは、「建物とは異なる場所に販売センターをつくる費用を節約したい」と考えられるようになったから。そして、都心部では、そもそも「販売センター用の土地がない」ということも理由として大きい。
さらに、中古マンションと新築マンションを同時に検討する人が増え、「即入居可の中古マンションと比べられたとき、完成売りマンションのほうが売りやすい」という事情もある。
いくつかの理由で、実際の建物を見せながら、販売する方式が広まり、それもわるくないと受け入れられるようになったのである。
現在のように完成した建物を見せて売るマンションが増えてくると、「完成販売」だからこそ、魅力が増す物件があることが分かってきた。
それは、どんなマンションなのか、具体例を挙げながら解説したい。
完成販売で魅力を増すマンションには、共通する立地特性があった
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