「父子鷹」元統一スーパーライト級王者の息子が、IBFスーパーウエルター級タイトル挑戦
10月19日にIBFスーパーウエルター級王者、バフラム・ムルタザリエフに挑む、前WBO同級チャンピオン、ティム・チューが、実の父であるコンスタンチン・チューから指導を受けた。ボクシングファンにはたまらないニュースである。
ティムは、決戦前に自身が住むオーストラリアを離れ、タイでキャンプを張った。その折、元WBA/WBC/IBF統一スーパーライト級チャンピオンの父がコーチを買って出たのだ。写真で分かるように、この親子の外見はそっくりだ。
29歳の息子が、2024年3月30日にプロ生活初黒星を喫し、WBO王座から陥落した様を目にした齢55の父が放って置けなくなったのだ。
今回、挑戦者としてリングに上がる息子は言う。
「絆が深まる良い経験でした。前回、試合が終わった直後、私は父に教えを請いました。でも、実際にイエスという返事がもらえるとは思っていなかった。応じてくれたことで、共同作業の時間が持てました。非常に良い経験でした。父と息子として、そして互いにファイターとしての結び付きができて嬉しく思います」
今回、55歳の元チャンピオンは、リングサイドで息子を応援する予定だ。ティムがプロデビューしてから、国際ボクシング殿堂入りしている父が生観戦するのは初めてのことである。
「私は負けない。勝利にとても飢えています。キャンプ中、父は私を壊そうとしているかのようなメニューを課しました。よーし、やってやるぜ!と感じましたね。とても楽しかったです。
また、かつて父が、トレーニング中に何をしたのか、感じていたのかを私に話してくれました。自分もベストを尽くすしかないと感じています」
フロイド・メイウェザー親子、シェーン・モズリー親子、ロベルト・ガルシア親子、そして3人の息子をコーチするフェルナンド・バルガスと、父が息子にボクシングの手解きをするケースは多い。が、コンスタンチン・チューの付かず離れずの微妙な距離感も、味がある。
父の指導を受けた息子は、どんなな戦いを見せるのか。