暗闇につつまれた深い海の中で生活をしている「深海魚（しんかいぎょ）」。一昔前までは深海魚を「食べる」という考えがあまり主流ではなかったけれど、最近では色々なアイデアによって、数種類の深海魚たちが新しく「食べられる魚」として、ステージに立ち始めている。

宮城県松島町の重要文化財「五大堂（ごだいどう）」のすぐそばにある、お食事処「げんぞう（GENZOU）」では深海魚をカラッと揚げた「のろんぼフライ」が食べられる。

フライに使われている深海魚の名前は「ナガヅカ（愛称：ノロンボ）」と呼ばれていて、その姿はニョロリとして長い。

宮城県内のいくつかの地域で以前からナガヅカの姿は発見されていたけれど、深海魚は食べられるまでに下処理に時間がかかることもあって、「食べられる魚」としてスポットが当たらなかった。

だけど捨てるのは、やっぱりもったいない。

せっかく水揚げされたからには、食べてみようと少しずつ（ナガヅカを含めて）深海魚たちに注目が集まってきている。

げんぞうで販売されている「のろんぼフライ」は、注文後に揚げてくれるので熱々サクサクを楽しめる。そしてお持ち帰りも可能。ちょっと外が寒い時には、車や自宅でゆっくりと食べられるのが嬉しい。

フライは箸でヒョイっと持ち上げられる位のサイズ感で、10センチくらい。

タルタルソースとお店特製の辛味ソースが一緒についてくるので、たっぷりと付けて食べると、これが美味しい。

ナガヅカは白身魚で身の食感は、同じ白身魚の「タラ」よりもふんわりと柔らか。そして独特の香りや癖は全くなくて、とても食べやすいから驚き。

深海魚のイメージは、時代の流れと共に変化をしている真っ最中。ひょっとしたら近い将来には、高級レストランのメニューに「深海魚フルコース」が登場する日がくるかもしれない。

深海魚、期待の星だ！