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【宮城県 松島町】2020年開業から4周年そして先へ-松島離宮サマーフェスティバル-[浪打浜地区]

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・松島町)

2020年10月17日に宮城県松島町の浪打浜地区にオープンした観光施設『宮城県 松島離宮(まつしまりきゅう)』は、今年で4周年を迎える。現在(8/19)夏休みに併せて、開業4周年を記念するイベント『サマーフェスティバル』が7月20日から9月1日まで開催中。
この記事では、筆者が実際に同イベントを体験して感じたおすすめポイントに加えて、松島離宮の4年間とこれからについて同施設の想いを紹介する。

五感で楽しむサマーフェスティバル

JR仙石線(せんせきせん)の松島海岸駅(まつしまかいがんえき)から、海岸方面へ徒歩約3分の場所に位置する『宮城県 松島離宮』は、以前の『マリンピア松島水族館』の跡地に誕生した観光名所。


同施設の2020年開業から4周年を記念して開催されている『サマーフェスティバル』は、夏休みに併せて家族や友人など大勢で楽しめる要素がギュッと詰め込まれているイベントだ。



(写真提供:宮城県松島離宮)
(写真提供:宮城県松島離宮)

まず、最初のおすすめは「食」から。
イベント期間中は、なんと総重量2キロのとんでもない海鮮丼『絶景!3重レツルタワー丼』が、1日5食限定で販売中。

▲ 写真中央が「絶景!3重レツルタワー丼」みんなで食べたい!(写真提供:宮城県松島離宮)
▲ 写真中央が「絶景!3重レツルタワー丼」みんなで食べたい!(写真提供:宮城県松島離宮)

丼の名称になっている「レツルタワー」は、松島離宮の建物を象徴する「三重塔」から名付けたもの。

そして、食事系メニュー以外にも暑い夏に嬉しい、つめた〜い甘味も充実。イベント会場では期間限定で、山形県天童市の老舗氷専門店『赤塚製氷(あかつかせいひょう)』監修の特製かき氷を販売。

▲ 写真向かって左奥の白い小屋で「特製かき氷」を販売中
▲ 写真向かって左奥の白い小屋で「特製かき氷」を販売中

これがとにかく大人気で、販売窓口から列が絶えず続いていたほど。取材時はやや混み合っていたので、注文後は番号札を受け取ってから大体3、4分後に、かき氷を受け取る仕組みに。



▲ 「特製かき氷」を販売している小屋の前には、人気の証である行列が!
▲ 「特製かき氷」を販売している小屋の前には、人気の証である行列が!

店員さん:「8番でお待ちのお客さまぁ!」


元気の良い声とともに手渡される、こんもりとした氷山のような特製かき氷に、受け取ったお客様も驚きの表情とニッコリ笑顔。

(写真提供:宮城県松島離宮)
(写真提供:宮城県松島離宮)

筆者はその様子を列の後方から眺めていたが、待ち時間もこれがなんだか”イイ味”。先にかき氷を受け取った人々の満面の笑みに「ああ、いいなあ・・」と心の声で呟きながら、少しずつ近づいてくる注文までのワクワク感。そして待ちに待ってかき氷を手にした幸福感と、その美味さは言うまでもなく、格別なはず!


ちなみに筆者は、かき氷メニューの中でも『飲むかき氷のキウイヨーグルト』を注文。

▲ 飲むかき氷 キウイヨーグルト(税込700円)
▲ 飲むかき氷 キウイヨーグルト(税込700円)

かき氷よりもアイスクリームに近い舌触りで、太めのストローがゆっくりと回るくらいの、どっしり感。味わいは贅沢濃厚なミルクシェーキに、甘酸っぱいキウイを混ぜ込んだような感覚。これが個人的に新感覚だったこと、そして汗が流れ落ちる真夏の炎天下には、とっても嬉しい美味しさだった!

そして、もう一つのおすすめは絶景が見渡せる「場所」について。同施設には松島湾を眺められる「屋上展望台」があり、普段は施設内の有料エリアに含まれる場所だが、イベント期間中は無料開放。

▲ 屋上展望台からの松島湾
▲ 屋上展望台からの松島湾

そのため例えば、1階でかき氷を購入後にいそいそと屋上へ上がり自分の”特等席”を見つけたら・・・、ぅわーーーっと背伸びをして、松島湾の海景色とかき氷をダブルで味わう!そんな贅沢な時間を過ごせてしまうわけだ。

実際に屋上のテラスにある椅子に腰掛けてみると、気持ちいい!普段の夏の風はジメジメと熱風に感じるけれど屋上を吹き抜ける夏の風は心地良くて、ちょっと目を閉じた5分間に耳を澄ましてみれば・・・、松の葉のサラサラとした音に野鳥のおしゃべりがステキなBGMに。そして目を開けば、目の前には松島湾の青い海がユッタリと広がる景色。
この屋上の美しい海景色と雰囲気は、ぜひ体感してみて欲しいおすすめの場所だ。

イベント終了後も楽しみ方は無限大

この『サマーフェスティバル』は9月1日で終了となるが、たとえイベントが終了したとしても施設内の庭園散策や、世界最古の魚竜類「ウタツサウルス」の模型に出会える博物館の見学など、楽しめるポイントが豊富な松島離宮。


▲ 松島離宮の庭園は美術館のような雰囲気(雨上がりの撮影だったため水鏡が神秘的)
▲ 松島離宮の庭園は美術館のような雰囲気(雨上がりの撮影だったため水鏡が神秘的)

また、定期的に工芸品のワークショップも開催されているので、見るだけじゃなく実際に体験して、学べるのが嬉しいポイント。

▲ 施設2階のワークショップエリア
▲ 施設2階のワークショップエリア

中でも「こけしづくり体験」では、土・日・祝の休日になると宮城県内のこけしの巨匠「伝統こけし工人」たちが、実際に体験をサポートしてくれる。


▲ 宮城県内「こけし工人」たちの作品。表情がみんな違うから面白い
▲ 宮城県内「こけし工人」たちの作品。表情がみんな違うから面白い

筆者が訪れた時には、宮城県内に5つ存在する伝統こけしの1つ『作並系こけし』の工人「加納 博さん」が体験をサポート中。
そこで筆者は加納さんへ「職人技をちょっと見たい」とリクエストをしたところ、快く応えてくれて手際よく目の前の専用マシンへ。すると・・・ジャー、ジャーと魔法のようにして、四角い木を美しい卵形へと変えていく。

▲ 作並系こけし工人:加納 博(かの ひろし)さん
▲ 作並系こけし工人:加納 博(かの ひろし)さん

加納さん:「海外からのお客様は特に、この木を削っていく工程にびっくりされていきますね。」と、フフフと微笑む加納さん。
日本人の筆者も、うわぁっと声を挙げて感動!さっきまで角ばっていた木が加納さんの手にかかると、あっという間に綺麗な丸へと変わっていく様子は、本当にお見事。プロの技を目の前にできるのは貴重な経験であり、お子様ならばきっと尚更。生まれて初めて見る”不思議な木の魔法”に、忘れられない想い出となりそう。

また、施設内のカフェ『タリーズコーヒー 松島離宮ハーバーテラス店』では、同店限定のデザインラテを販売中。

よく見ると・・、松島を象徴する朱色の橋『福浦橋(ふくうらばし)』まで描かれている細かさ。凄い!
イベント終了後にも皆で文化体験に参加したり、限定ラテを飲みながら屋上庭園でのんびり過ごしたり。さあ、松島離宮でどんな風に楽しむか?自分だけの自由な遊び方を開拓してみよう!

コロナ禍を越えて松島に新風を

松島離宮が今年で開業4周年を迎えるにあたり、広報担当「齋藤つばさ」さんに現在の想いを伺った。

松島離宮が2020年の開業から今年で4年目となり、過去を振り返ってみた時に大変だったと感じることはありましたか?



齋藤さん:
『開業(2020年10月17日)した時期がちょうどコロナ禍だったこともあり、例えば時短営業や感染対策など、なかなかお客様を呼び込むことが難しい状況を経験して来ました。ですが、少しずつ世の中の状況が変化していく中で、現在では海外からのお客さまの数も徐々に増えつつあります。』

これから松島離宮はどんなことにチャレンジ、または期待をしていますか?今後への想いを教えてください。

齋藤さん:『1つは松島離宮が(松島)地域の「ハブ的」な役割を果たせたら、と思っています。観光地ということもあり松島を訪れた皆さんが、早い時間帯(夕方頃)に松島を離れて宿泊先へと向かう流れがあります。でも、そこを例えば夜間まで営業している松島離宮で過ごして(季節ライトアップイベントなど)、もっと松島を楽しんでもらう。そんな新しい流れ、役割をつくっていきたい。あとは、松島離宮で単に食事・体験を楽しむだけに留まらず、その過ごした時間がお客様自身の「想い出のエピソード」の1つとなってもらえたら。それができたら本当に嬉しいです。』

▲ 松島離宮に遊びに来た想い出が、一人一人のストーリーへと変わって行く
▲ 松島離宮に遊びに来た想い出が、一人一人のストーリーへと変わって行く

これからも松島離宮の新たなチャレンジを応援すると共に、今後の松島に新しい風がどんどん吹きこみ、”伝統が息づく土地だけど、新しい松島”となる日が楽しみだ。

名称:宮城県 松島離宮(みやぎけん まつしまりきゅう)
住所:宮城県宮城郡松島町松島字浪打浜18番地
営業時間:9:00-18:00
※季節イベントにより終了時刻が変更になる場合があります。
詳細は施設公式WEBページにてご確認下さいませ。

フリーランスライター(東松島市・松島町)

Molly Chiba|日本出身|2022年2月からフリーランスのライターとして独立。日本と英国を拠点に活動中。日本国内の地域ニュースやコラムのほかに、日・英のサッカーに関するコラムを『Football Tribe Japan』に執筆中。2024年8月の「地域クリエイターMVA(Most Valuable Article)」を受賞。珈琲と自然と動物が好きです。

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