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銀河戦連覇まであと2勝の藤井聡太銀河 準決勝で杉本和陽五段と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 第31期銀河戦もいよいよクライマックスを迎えつつあります。

 前期優勝の藤井聡太銀河(21歳)は、準決勝で杉本和陽五段(32歳)と対戦します。

 藤井銀河は今期、本戦Hブロック最終戦で羽生善治九段に勝利。決勝トーナメントに進んでからは1回戦で斎藤明日斗五段、2回戦で千田翔太七段に勝っています。

 杉本五段はBブロックで佐藤紳哉七段に勝利。伊藤匠六段(現七段)には敗れました。伊藤六段はそのまま8連勝で突き抜けて、最終勝ち残り者となりました。

 その結果、1勝で最上位者の杉本五段が決勝トーナメントに進むことになりました。大変レアなケースと言えるでしょう。

 杉本五段は、決勝トーナメントでは、1回戦で豊島将之九段、2回戦で渡辺和史六段に勝利。ベスト4に進んでいます。

 藤井銀河と杉本五段は両者がともに四段だった2017年、叡王戦段位別予選・四段戦決勝で対戦しています。

 杉本四段は後手で三間飛車に。対して藤井四段が速攻を仕掛け、中盤の戦いが始まります。藤井四段が少しリードをして終盤を迎えたところ、杉本四段が追い込んで、勝敗不明となりました。最後、藤井玉はきわどく中段に逃れ、杉本玉が受けなしに追い込まれたところで終局となりました。

 将棋界では二人の杉本姓の棋士がいます。一人は杉本和陽現五段。そして藤井銀河の師匠である杉本昌隆八段です。

 杉本八段は著書『師匠はつらいよ』で、杉本五段宛の郵便物が誤って自身の方に送られてきたり、自身の将棋会館宿泊費が誤って杉本五段の対局料明細から天引きされていたというエピソードを紹介しています。

 杉本八段と杉本五段はともに振り飛車党という共通点があります。銀河戦準決勝の藤井銀河-杉本五段戦も、おそらくは杉本五段が飛車を振ることになりそうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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