大きな求肥の下には自慢の粒餡「お福わけ餅」は創業1705年の老舗が作るどら焼きのような優しいおやつ
あれもこれもちょっとずつ、せっかく食べるなら好きなものを少しずつ沢山食べたい!と思う日もあれば、とにかくこれが食べたい!と一点集中することも。食に関する意識は、ちょっと貪欲なくらいが丁度良いのではないでしょうか。
あんこも食べたい、求肥も食べたい。あぁ、どら焼きがいいかなぁ…でもお腹いっぱい食べたいかというとそうではなく、むしろ心を満たしたい。そんな時。
創業1705年。現在は秋田県を語る上では欠かせないお菓子のひとつ、諸越をはじめとする和菓子を作り続ける老舗「杉山壽山堂」さん。かつては京都嵯峨野御所でも御用商人という誉れ高い役割を担っていたお店には、趣深い諸越から串団子のような毎日のおやつの時間を彩るようなほっとする和菓子まで勢揃い。今回はその中から、「お福わけ餅」をご紹介。
どら焼きの皮でそっと挟まれた、透き通るような白肌の求肥がなんとも大胆と申しますか、一見すると思い切った風貌でありながらも和菓子好きを引き付けてやまない容姿。どことなくワッフルのような気取らなさも手に取りやすい理由のひとつかもしれません。
程よくしっとりとしていながらも、ふわり、しゅわりとした軽やかなどら焼きの皮。そして目が離せない立派な求肥は、どことなく寒天菓子ようなぷるんとした歯切れの良さを宿したあっさりとした食べ口。それでいて舌を優しく包み込む甘味を演出するのは秋田県産の糯米を挽いて製造された白玉粉と職人技のおかげでしょうか。
更に!求肥の下に隠れているのは、北海道産小豆から炊かれる杉山壽山堂さん自慢の粒餡!姿は見えずとも存在感は抜群。しゃきしゃきとした皮目の歯ごたえが全体のアクセントとなり、更に蜂蜜が三位一体の味わいをより一層奥深いものへと昇華。甘さで満足するのではなく、蜂蜜のコクや小豆の風味が口内に広がり余韻として留まってくれることで、ほっと安らげる甘いひとときを与えてくれる和菓子だと思いました。
ボリュームも味わいも、一息つきたいときには相応しいお福わけ餅。珈琲やほうじ茶は本より、蜂蜜と相性の良いカモミールティーなどの香りのよいお茶とも相性が良いのでおすすめです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<杉山壽山堂・本店(ポンドール内)>
公式サイト(外部リンク)
秋田県秋田市川尻町字大川反170-82
018-823-5186
9時~16時
定休日 日曜