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まさかHSPは適応障害に「なりやすい」?原因や対策について解説!

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

仕事や人間関係にストレスを感じ、心身に不調を感じることはありませんか?

自分の置かれている環境に適応できず、体調を崩して生活に支障が出ている場合、それは『適応障害』を発症している恐れがあります。

繊細な気質を持っているHSPの人は、環境の変化や些細な刺激に敏感に反応するため、ストレスを抱えやすい傾向があります。

HSPが適応障害を発症する可能性があるのかどうか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、適応障害の原因や診断基準、HSPが適応障害にならないためにできることについて説明します。

適応障害とは

ある特定の出来事を「つらい」「耐えがたい」と感じ、強いストレスによって心身に不調が現れる状態のことを『適応障害』といいます。

特定の出来事や状況は人によって異なり、人間関係、職場の悩み、恋愛、慢性的な病気、災害による環境の変化などがきっかけとなり適応障害を発症することがあります。

嫌な場面に遭遇し、ストレスを感じることは誰にでもある正常な反応ですが、そのストレスの度合いが強すぎると適応障害になる恐れがあります。

適応障害は大抵の場合、ストレスの原因から離れることで症状が改善されることが多いです。

しかし、ストレスの原因から離れることが難しい場合は慢性的に適応障害の症状が続き、ほかの心の病気を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。

HSPとは

周囲の人や環境からの影響を受けやすく、敏感で繊細な気質を持った人のことを『HSP』といいます。

HSPはアメリカの心理学者アーロン博士が提唱した心理的概念です。

HSPの人は強い光や大きな音、においなどの五感が鋭く、感受性が高い傾向があります。

HSPと聞くと「病気なのかもしれない」と不安になる方もいるかもしれませんが、HSPは正式な病名ではなく性格やその人が持っている気質です。

しかし、HSPの気質によってストレスを抱えて体調を崩す人も多く、抑うつ状態になることもあるので病気ではないからといって軽視しない方が良いでしょう。

適応障害やうつ病などの病気を引き起こす可能性もあるので、HSPの気質とうまく付き合っていく方法を探すことが大切です。

HSPは適応障害を発症しやすい?

HSPは環境の変化や人との関わりにおいて、他の人よりもストレスを受けやすい傾向があります。

相手の言葉や感情を敏感に感じ取ることができるので、特に社会生活において疲れを感じることが多いのではないでしょうか。

感受性や共感力が高いため、人の言葉に影響を受けて振り回されてしまうこともあります。

また、他の人が気にしないような物音やにおいにも強く反応し、ストレスを感じてしまうことも多いです。

そのため、隣の人が立てる音が気になって目の前の作業に集中できなくなってしまったり、同僚が上司に怒られているところを見て自分のことのように受け止めてしまい心を病んでしまうことがあります。

HSPはそのような場面で強いストレスを感じるため、適応障害を発症しやすいと言えます。

適応障害の原因

適応障害の原因は人によってさまざまです。

原因がはっきりしていることが多く、大きく分けて仕事の悩み、人間関係の悩み、ライフスタイルの変化などがストレスとなって症状を発症することがあります。

下記でそれぞれの原因について紹介します。

仕事や職場の悩み

仕事や職場に適応することができず、適応障害を発症する人はとても多いです。

仕事内容が合っていない場合や仕事内容の変化に適応できない人、ストレスを溜め込んでしまう人は注意をした方が良いでしょう。

・仕事内容が自分の能力に合っていない

・職場に馴染むことができない

・周囲からのプレッシャー

・将来への雇用不安

・仕事内容の変化

人間関係の悩み

人間関係の悩みによって適応障害を発症することがあります。

パートナーとの別れや離婚によって生活が大きく変化し、心身に強いショックやストレスが加わるため注意が必要です。

・家族内の不仲

・パートナーとの不仲

・知人や親戚とのトラブル

・恋人との別れ、離婚

ライフスタイルの変化

引っ越しなどの環境の変化をきっかけとして、適応障害を発症する人はとても多いです。

また、昇進や昇給、出産や結婚など周りから見て喜ばしいことでも、本人にとっては強いストレスを感じることがあります。

・転勤や異動、昇進

・引っ越し

・学校の入学、進学

・結婚や出産

・自立による一人暮らし

・災害や病気による生活の変化

適応障害の症状

適応障害はストレスによって心身に症状が現れます。

身体症状、精神症状、行動の変化などがあります。

全員が共通の症状を発症するわけではありませんが、よく見られる症状は以下の通りです。

身体症状

・動悸、胸が苦しく感じる

・吐き気、めまい、ふるえ

・眠れない、もしくは寝すぎてしまう

・食欲不振、食欲増加

精神症状

・意欲の低下

・気分の落ち込み

・緊張や不安が高まる

・集中力の低下

行動の変化

・仕事や学校を休みがちになる

・お酒やタバコが増える

・特定の場所を避けるようになる

・部屋に引きこもるようになる

・浪費が増える

・現実逃避するような行動が増える

・周囲とのトラブルが頻発する

適応障害の診断基準

適応障害はうつ病と似ている症状があるため間違われることが多いですが、適応障害は「ストレスの原因から離れる、または取り除くことによって症状が改善する」という特徴があります。

一方うつ病の場合は、ストレスの原因から離れたとしても憂鬱な気分が改善されないため、適応障害とははっきりとした違いがあります。

そのため、「原因がわからないけれど体調や気分が優れない」という状態が長期的に続いている場合は、適応障害ではなくほかの病気が隠れている可能性があるでしょう。

下記の状態を参考に、適応障害かどうかチェックしてみましょう。

・生活に支障が出るほどのストレスや苦痛が続いている

・ストレスの原因が明確で、その原因から離れると症状が改善する

・好きなことや興味のあることに関しては楽しめる

HSPが適応障害にならないためにできること

適応障害を予防するにはストレスの原因から離れることや、自分に合った対処法を見つけることが大切です。

ストレスを受けやすいHSPが適応障害にならないためにできることについて、下記で説明していきます。

ストレスを感じる状況について自分で知っておく

適応障害にならないためにできることは、ストレスを感じる状況について自分でも理解しておくことが大切です。

職場の人間関係にストレスを感じているのか、引っ越しして環境に適応できず悩んでいるのか、ストレスの原因を明確にしましょう。

どんなことにストレスを感じるのか、そしてそのストレスはどうすれば緩和されるのかを自分と向き合ってよく考えてみてください。

簡単にできる方法は以下のようなものがあります。

1.ストレスに感じたことを紙に書き出す

2.ストレスに対してどんな行動をすれば改善するのか対処法を考えてみる

3.実際に行動してみて効果があるか検証する

上記の方法を繰り返して、自分に合ったストレスへの対処法を見つけましょう。

自分だけで抱え込まない

HSPは相手から相談されて共感することは得意ですが、自分の感情を他人に打ち明けることは苦手な人が多いです。

悩みを自分だけで抱え込んでしまうことが多く、ストレスが蓄積された結果、適応障害を発症してしまう恐れがあるので注意が必要です。

なるべく、信頼できる人や身内などに相談できる人を作っておくと良いでしょう。

インターネットなどで相談者や理解者を探しておくのも良いかもしれません。

相談相手を探すことが難しい場合は、専門家やカウンセラーの力を借りることも視野に入れておきましょう。

まとめ

今回は、適応障害とHSPの関係、HSPが適応障害にならないためにできることについて紹介しました。

適応障害は誰にでも起こりうる病気なので、ある日突然症状を発症することがあります。

HSPの人は特にストレスを抱えやすい傾向があるため、自分なりの対処法を見つけて上手にストレスと向き合っていきましょう。

周りに相談する人がいない場合は、無理をせず専門家やカウンセラーなどを頼るようにしてくださいね。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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