【人形町】旬の鮎を一年中?「重盛永信堂」の登り鮎は白あんたっぷり人形焼き
水天宮への安産祈願や戌の日の参拝者、更には年末年始も常に行列が堪えない人形焼きのお店といえば「重盛永信堂」さん。創業100年を超えるお店には、戦時中は空から広告を撒いてお店を宣伝したという逸話(!)が残る程、濃厚な歴史を持つ人形焼き屋さんです。
35円の小さなカステラおひとつから購入できることや、粒餡のつぼ焼きとこし餡の人形焼きとあんこも選べることから、手土産にまとめて購入なさる方が多数。
その中であまり知られていないのが、初夏の名物を模したあの和菓子が一年中販売されているということです。
今回は5月後半から和菓子屋さんの店頭に姿を現しはじめる、「登り鮎」を一足お先にいただいたのでご紹介。
重盛さんの鮎はカステラ生地を折りたたんだものではなく、人形焼きスタイル。よくよく見ると頭といいますかエラもあるんです。飴色の肌からは、なかなか強かなはちみつの香りが立ち上り、香りだけで珈琲が進んでしまいそうな濃度。この甘い香りも、鮎ではなく人形焼きらしいところですね。
若干中の白あんが透けるほど極々薄いお腹の皮の中には、お砂糖よりも白いんげん豆の味わいがしっかりと伝わる白あんがたっぷり!求肥ではなく、白あんです。皮自体のこっくりとした甘味の主張が効いているので、白いんげん豆の風味が引き立つのかもしれません。
重盛さんの生地は固くなってしまうのがやや早いのですが(なにせ極薄なもので)、あんこがかなりしっとりとして甘味もはっきりしているので、そこを補っているような気がします。そのままは勿論、珈琲やお茶にも負けない味なので、お茶の時間のお手土産なんかにもぜひ♪
鮎のお菓子といえば、長良川の鵜飼いで水揚げされる鮎を模したお菓子。丁度5月中旬からはじまる漁にあわせて、和菓子の鮎もはじまり、焼き印を施されることにより命が吹き込まれていきます。
登り鮎は出世を象徴する縁起物という捉え方もございますので、水天宮の傍らということもあり、重盛さんでは通年商品として販売されていらっしゃるのでしょうか。(以前お伺いしたところ不明とのことでしたので、いつかリベンジしたいと思います。)
とはいえ、やっぱり本物の「鮎」の和菓子が恋しくなってきました…わがままですね。