低学年から勉強しすぎない方が頭が良くなるってホント?勉強の代わりに大事なことを幼児教育講師が教えます
日々の子育て本当にお疲れ様です!
今日は『子どもが高学年になって伸びるための幼児〜低学年において本当に必要なこと』というテーマでお話しします。
最近ではお子さんの学習において、受験対策として早期から塾でガンガン勉強するご家庭も多いと思いますが、その一方で「低学年の内から勉強しすぎない方が後から伸びる」ということも多く言われるようになってきました。
これについて、私の考えをお話しさせていただきます。
【低学年から勉強しすぎない方が後から伸びるのか】
これは私の経験上“正しい”と思っています。
あくまで私の経験ですが、低学年もっと言えば幼児の内から勉強漬けになっている子は、確かに低学年における成績は良いことが多いです。
ですが、高学年になって失速してしまい、他の低学年のうちに勉強を熱心にしてこなかった子に抜かれていってしまうケースを多く見てきました。
そのような現象を世の教育者も見てきているからこそ「低学年の内から勉強しすぎない方が後から伸びる」ということが言われるようになったのだと思います。
では、この「低学年の内から勉強しすぎない方が後から伸びる」という考え方は本質なのか。
私は正しいけど本質的には間違っていると考えています。
なぜかというと、低学年に勉強をしない=高学年で成績が伸びていくというわけでは無いからです。
大切なことは、低学年に勉強に力を入れない代わりに子どもがどのような体験や経験をするかということです。
結論をいうと、高学年になって成績が伸びなくなる理由は、幼少期から低学年にかけて『熱中体験』をしていないからです。これが本質だと思っています。
熱中体験は、自分の能力や才能を自分の分野で思う存分発揮して、幸せな人生を送るための最大の条件と言っても良いでしょうし、勉強においては『熱中体験=後から伸びていく条件』と考えても大げさでは無いと思います。
つまり、幼少期から低学年のうちに、勉強に力を入れない代わりに『熱中体験』を経験できるから後から伸びていくのであって、勉強に力を入れない=後から伸びていくわけでは無いということです。
これを勘違いして、ただ勉強をしないだけで終わってしまうと、高学年になって伸びていける可能性が高くなることはないのです。
【熱中体験とは何か】
その基本は『遊び』だと思っています。
皆さんもそうだと思いますが、人が熱中できるのは好きなことに取り組んでいるときです。
そして、ほとんどの子どもが一番好きなことは『遊び』です。
だからこそ、幼少期から低学年の時期には特に遊びの時間を大切にしてほしいですし、勉強に力を入れて遊びの時間が少ないということは、結果熱中体験が不足して後々伸びていけない要因に1つになってしまうわけです。
熱中体験不足は高学年からでも補える?
それは幼少期と比べると難しいというのが私の考えです。
人間の熱中する力は年齢が上がっていくにつれて落ちていきます。特に遊びに熱中できる力は幼児〜小学校低学年がピークで、その後は顕著に落ちていきます。
ですから、高学年に同じように遊びの時間をとってあげても幼児期と同じような熱中できるような体験になりづらいのです。
なので、熱中する力が強い幼児〜低学年は遊びを中心に時間を使い、理解・思考が得意になってきて、勉強がしやすい脳になり、尚且つ遊びに熱中する力が下がってきた高学年になったら勉強に力を入れる。
これほど効率の良い方法はないのではないかと思います。
ですが、1つだけ幼児期から勉強に力を入れても良いケースがあります。
それは、お子さんが勉強が楽しくて仕方がない。一番熱中できるものが勉強!という場合です。
このような場合は、お子さんにとって勉強=遊びである可能性は高いです。ですから、勉強が悪!ということではなく、幼児期〜小学校低学年のうちに熱中できない勉強に多くの時間を割くことはおすすめしないということですね。
では、ここからは子どもが熱中体験をできる子育てを実践していく上で大切な3つの考え方について解説していきたいと思います。
①『遊び』が大事なのではない
遊びが熱中体験に繋がりやすいからといって安易に「おもちゃなど何かを使って遊ばせる」と考えるのはそれこそ本質から離れてしまいます。
先程お話ししたように、勉強でもお子様が遊びと感じていて熱中していればそれが熱中体験になりますし、大人が思うような遊びではなくても熱中体験になることはたくさんあります。
・車を観察する ・虫を集める ・色んなものを分解する ・人を笑わせる ・お絵かき ・粘土作りに ・石を集めること
子どもが夢中になっているなら、どんなことだって良いのです。
逆に言えば、いわゆる遊びであっても、親にやらされていたり、自分がやりたいことではなければ熱中体験にはならないんです。
ですから、
×『熱中体験=遊び』
○『熱中体験=子どもがイキイキして夢中になっている状態』
だと考えてあげるのが大事なことだと思います。
②『子ども自ら』が絶対条件
次に考えるのは、「どうやったら子どもにとっての熱中体験になりやすいのか」ということです。
その方法はいろいろありますが、1番の根底は『子ども自ら』を大切にすることです。
子どもが自ら始める。自ら考える。自らの好きな方法で遊ぶ。というように『子ども自ら』であることには熱中しやすいものです。
ですから、「これやってみよう!あれやってみよう!」と勧めすぎるのではなく、まずは『時間を作ってあげること』をしてみてください。
自由にできる時間を与えてあげることで、子ども自ら何かを始めるチャンスが生まれます。
そして後は
・実体験ができるチャンスを作ってあげる
・「こんなこともあるよ!」と教えてあげる
・時には大人が熱中しているところを見せてあげる
などといった『子どもの選択肢を増やしてあげるフォロー』ができると良いですね。
「これをやってみようよ!」と親から子どもにダイレクトにアプローチをするのは熱中体験には繋がりづらいので、あくまでフォローだけで『子ども自ら』を大切にしてあげてくださいね。
③食いついたら型にはめず好きなだけ!
「関心を持ったその時がベストタイミング」です。
あくまで理想論ですが、子どもの興味が色んなところに動いていったら、この動きを一切邪魔せずそれぞれ食いついたものを思う存分やらせてあげるのが、子どもが熱中体験をする1番の方法です。
ですが、子どもの興味に任せて探求している中に大人の意向が入るとこうなります。
・「〇〇ちゃん今はパズルやろうね」
・「〇〇ちゃん今はお勉強の時間だよね」
こんな感じですね。
最初に理想論と言った通り、全部が全部子どもの興味に任せてやらせ続けることなんて不可能ですが、その中でもできる範囲でなるべく邪魔をせず『自分が興味を持ったものを好きなだけできる』という環境を作り、子どもの好奇心を優先させる時間をとってあげてほしいと思います。
そしてもう1つ重要なのが、型にはめないことです。
子どもが興味を持ったものがどんなものでも、「それはこうやって遊ぶもの」「こうやって楽しむのが普通」などという大人の考えの通りに取り組むことはほとんどありません。
「何その使い方?」「そうやって使うものじゃないんだけど」ということもあるかと思いますが、自由にやらせてあげることが熱中体験をさせてあげるポイントです。
何かに困っていたら手を差し伸べてあげても良いですが、使い方が違っても、子どもが楽しそうに取り組んでいるならそれで良いのです。
いかがでしたでしょうか?
幼児期〜小学校低学年に良い熱中体験ができるようご家庭に合ったサポートしてあげてほしいなと思います。
皆さんの子育てを応援しています!