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エンジェルスの「4試合で完封負け3度」は危険信号!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ノア・シンダーガード/左奥はラファエル・デバース(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスは,ここ4試合で3敗を喫している。しかも、その黒星はいずれも完封負けだ。4月24日から29日まで6連勝後に、●○●●。それぞれのスコアは、4月30日が0対4、5月1日が6対5、5月2日が0対3、5月3日は0対4だ。

 2試合連続の完封負けは、昨シーズンもあった。7月29日~30日がそうだ。その前は2017年――2018~20年は皆無――だが、今世紀に限っても、今年の5月2日~3日を含め、14度を数える。

 ただ、4試合のスパンで3度の完封負けは、2001年9月以来だ。このスパンは同時多発テロによる中断期間を挟むが、同じ年の7月にも4試合で3度完封されているので、いずれにせよ、21年ぶりということになる。

 とはいえ、4試合で3敗は、エンジェルスに限らず、よくあることだ。

 それがいずれも完封負けというのは、たまたま、相手の先発投手による好投が重なった、と見るべきだろう。4月30日はビンス・ベラスケス(シカゴ・ホワイトソックス)が5.2イニング、5月2日はディラン・シース(ホワイトソックス)が7イニング、5月3日はマイケル・ワカが5.2イニング。この3人は、計18.1イニングを投げ、エンジェルスに1度しか三塁を踏ませなかった。

 また、4試合中、最も失点が多かったのは、このスパンで唯一の白星を挙げた5月1日の5点だ。他の3試合は、敗れたとはいえ、5点目は取られていない。なかでも、エンジェルスの先発投手は、4人中3人がQS(クオリティ・スタート)を記録している。4月30日のホゼ・スアレスは、4失点(自責点4)で5回途中にマウンドを降りたが、翌日以降の3人は、マイケル・ロレンゼンが8.1イニング、パトリック・サンドバルが6イニング、ノア・シンダーガードは7イニングを投げ、いずれも3失点(自責点3)だ。

 スアレスは5月1日にAAAへ降格となり、代わって誰がローテーションに入るのかはまだ不明ながら、同じ5月1日の試合で右の股関節を痛めた大谷翔平は、幸いにも大事に至っていない。予定どおりにいけば、5月4日のリード・デトマーズに続き、大谷は5月5日のマウンドに上がる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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