サイ・ヤング賞2度のベテランがローテーションから外されてブルペンへ。DFAとならなかった理由は…
5月24日、ボストン・レッドソックスのアレックス・コーラ監督は、WEEIのラジオ番組に出演し、コリー・クルーバーをローテーションから外してブルペンに回す、と語った。
クルーバーは、クリーブランド・インディアンズ時代に2度、2014年と2017年にサイ・ヤング賞を受賞している。この他、2016年と2018年は投票3位、2015年は9位。2014~18年のトータル防御率2.85は、この5シーズンに500イニング以上の109人中、4番目に低かった。
ただ、2019年からは故障がちとなり、昨シーズンはタンパベイ・レイズで164.0イニングを投げたものの、防御率は4.34。奪三振率は自己ワーストの7.63を記録した。今シーズンの9登板は、防御率6.26と奪三振率7.34だ。
ここから、レッドソックスのローテーションには、クリス・セール、ジェームズ・パクストン、タナー・ハウク、ブライアン・ベイオ、ギャレット・ウィットロックの5人が並ぶ。開幕から故障者リストに入っていたパクストンが、5月12日からローテーションに加わったのに続き、先月に先発3登板のウィットロックも、今週末か来週早々に故障者リストから戻ってくる予定だ。
クルーバーは、レギュラーシーズンとポストシーズンを合わせ、269試合の先発マウンドに上がっている。一方、リリーフとして投げたのは、6試合に過ぎない。2011年の3試合と2013年の2試合に、昨年のワイルドカード・シリーズ第2戦だ。現在の年齢は37歳、契約は1年1000万ドル。「先発→リリーフ」ではなく「DFA→解雇」の道をたどっても、不思議ではない気がする。
レッドソックスがクルーバーを残したのは、他の先発投手たちが理由ではないだろうか。セールとパクストンは、クルーバー以上に故障が多く、過去3シーズン(2020~22年)の登板は、合計しても17試合に過ぎない。セールは、2020年が0登板、2021年が9登板、2022年は2登板。パクストンは、5登板、1登板、0登板だ。その上、あとの3人は、メジャーリーグで1シーズンに80イニング以上を投げたことがない。
なお、レッドソックスは、クルーバーの直前にも、同様の配置転換を行っている。ニック・ピベッタは、先発8登板で防御率6.30を記録した後、5月21日はブルペンから登板した。