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ABEMA 4分割画面で確認 アルゼンチン前半26分53秒の #悪夢のAIオフサイド判定 #AIの笛

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出店ABEMA

KNNポール神田です。

ワールドカップが『ABEMA』の『4画面』で楽しめることで、いろんな今までの『テレビ観戦』では見えなかったことが体験できるようになった…。

https://abema.tv/

理想のワールドカップ視聴環境は、テレビの地上波を録画しながら追いかけ再生をしながら、『ABEMA』の4画面を同時視聴するという環境だ。

なぜならば、通信の『ABEMA』はテレビの放送よりも、30秒ほどディレイしているからだ。

出典 筆者のワールドカップ観戦環境 75iインチREGZAに16インチLENOVO
出典 筆者のワールドカップ観戦環境 75iインチREGZAに16インチLENOVO

基本はABEMAのライブ視聴にあわせて、テレビの追いかけ再生側をあわせる。

今回も、前回の記事にも書いたように『半自動オフサイド判定技術』による『VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)』によって、数々のスーパープレイが、AIによるオフサイド判定で、すべて『幻』となってしまっている。

2022年11月22日の『アルゼンチンサウジアラビア戦』でも、『悪夢のAIオフサイド判定』が度々と現れる。

アルゼンチンのメッシは、相手のディフェンスラインにぴったりとついていることでゲーム中での歩数が少ないことでも有名だ。しかも『ABEM』の『アルゼンチンカメラ』はほとんどがメッシの歩いているシーンだけを映し続けている。

ほとんど歩いている…といっても過言ではない。

まさに、いざという時にしか走らない男だが、走り出したら半端ないのは全世界が認めており、筆者が言うまでもない。

■前半26分53秒のVARシーンを再確認

出典 筆者テレビ画面撮影
出典 筆者テレビ画面撮影

メッシのディフェンスライン、ギリギリからのオフサイドは副審のフラッグと共に、VARの3D映像によって詳しく解説される…。それは今までの副審の判定を正しくAIセンサーとカメラが反映するものであった。

しかし、前半26分53秒のアルゼンチンのマルテイネスのゴールシーンを、これからでも再生してみて確認してほしい。

ハイライトではなく、フルでの再生で確認していただきたい。

https://abema.tv/live-event/8bd58471-0d8d-409f-9e62-18b1f1c899a0

前半戦26:53 の #オフサイド 

もはや人間では判定できないような仕様。

人間がわからないミスをAIに判定されて誰もが???なままで、仕方なく結果を受け入れている。当然、目視では確認できない。

しかも、テレビの視聴では、アルゼンチンの得点として、全員が駆け寄って喜んでいる。

そう、テレビではそのままゲームが進行している。

しかし、『4画面』では、主審が耳に手当て VARの判定を確認しているシーンが流れている…

このジェスチャーを目にした瞬間に、『幻のゴール』が頭をよぎる。

結果は『オフサイド』による『ノーゴール』だ。

カタール対エクアドル戦 でも記述したように、AI判定が、サッカーをつまらなくしていると感じた…。かつてのワールドカップのアルゼンチンのマラドーナの『神の手ゴール』も主審、副審が判定できなかったからこそ生まれた歴史的なゴールだ。そう、判定のミスも重要なジャッジのひとつなのだ。

オフサイド AI判定 がサッカーをつまらなくする。カタールW杯で消えた幻の初ゴール

https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20221121-00324868

サッカーの場合、主審が見えない場面でのオフサイドなどは副審の判定に従う。しかし、今回から導入された『半自動オフサイド判定技術』の場合、人間が見つけられなかった、足先や手先のライン割れというオフサイドもAIがカメラで判定している。副審が今までそんな視点では見ていない。ヘディングで争う選手の足元や手先をみるだろうか?

さらに、今回の大会ボールの中には、1秒間に500回フィールド上の位置を発信する慣性計測ユニット(IMU)内蔵の『センサー』が搭載されているので、ピッチの選手がボールを蹴った瞬間に、オフサイドラインを相手選手が超えたかどうかを見極めている。キーバーが飛び出すと、オフサイドラインも瞬時に変わる。

選手は視覚による情報で、ピッチで活動している。特にボールを蹴った瞬間と言うよりも、蹴るジェスチャーで、ディフェンスラインを超える意識をしているはずだ。

また、オフサイドを判定する主審、副審も、選手のボールを蹴った瞬間のジェスチャーから蹴られた時点のオフサイドラインを想定して判定している。そう、人間には、ボールをキックした瞬間とオフサイドラインを同時に視覚で確認することができないのだ。

すなわちサッカーの歴史の中で、オフサイドは、ボールを蹴ったであろう瞬間を見てから、オフサイドラインを確認するので、0.00秒ほどのディレイが必ずある。その感覚のオフサイドラインでサッカーをしてきた選手にとって、AI判定は納得ができなくて当然だ。

競馬でも、写真判定で、鼻の差とかを確認するが、影にならないように複数のカメラで捉える。陸上選手は、トルソーとよばれる胴体部分で判定し、頭や手や足では判定していない。

少なくとも AIによるオフサイドラインの判定では、手や足ではなく、胴体での判定で、今までのオフサイドラインに近づくことだろう。

そして、ボールのセンサーが蹴られた瞬間ではなく、人間がボールを蹴って動いたと認識できる0.00秒のディレイタイムをいれた、ハンディを与えてあげないと、人類の築いたスポーツの感覚が狂ってしまうと感じる。

そう、スポーツは真理を追求するスポーツではない。少なくとも、サッカーは、フェアプレーを人間がジャッジしてきたスポーツだ。レフリーのジャッジのさじ加減も重要な面白さのひとつだ。

AIの精緻な判断で、オフサイドを発見してくれるのはありがたいが、人間が反応するまでの誤差を加味してもらいたい。

今大会のベスト16くらいからでもよいので、AIを調整するべきだろう。

それにしても、サウジアラビアのゴールキーパーも見事なディフェンスだったと思う。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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