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メキシコでWBSCのプレスカンファレンス。プレミア12の組み合わせが発表

阿佐智ベースボールジャーナリスト
前回大会3位決定戦を侍ジャパンと戦ったメキシコでも今大会は実施される(写真:ロイター/アフロ)

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)はメキシコシティで会見を開き、今秋行われる国際大会・プレミア12の組み合わせを発表した。

前回の第1回大会は台湾と日本での開催だったが、今大会は1次ラウンドをメキシコ、韓国、台湾で、2次ラウンド以降を日本で実施することになっている。

メキシコラウンドの行われるグアダラハラのエスタディオ・チャロス
メキシコラウンドの行われるグアダラハラのエスタディオ・チャロス

 メキシコ(ランキング6位)、アメリカ(2位)、オランダ(8位)、ドミニカ共和国(12位)によるメキシコラウンドの会場は、日本でプレーしたアガスティン・ムリーヨ、ジャフェット・アマダー(ともに元楽天)もプレーする現地ウィンターリーグ、メキシカンパシフィックリーグの人気チーム、チャロス・デ・ハリスコの本拠、グアダラハラ郊外にあるエスタディオ・チャロスでの開催となった。今大会では、メキシコシティにできるメキシカンリーグの名門・ディアブロスロッホスの新本拠地球場の使用も噂されていたが、この新球場は現在も建設中で、この春のメキシカンリーグ開幕にはなんとか完成が間に合いそうなのだが、一昨年の大地震などもあり、完成が再三延期になった経緯もあって、今大会での使用は見送られたもようである。

急ピッチで工事が進むメキシコシティの新スタジアム(写真提供WBSC・Riccardo Schiroli氏)
急ピッチで工事が進むメキシコシティの新スタジアム(写真提供WBSC・Riccardo Schiroli氏)

 日本(1位)が入ったのは台湾ラウンド。このグループにはホスト国の台湾(4位)の他、ベネズエラ(9位)、プエルトリコ(11位)が入っている。球場は現在プロリーグ、CPBLの中信ブラザーズがフランチャイズとし、国際大会の開催経験豊富な台中の洲際野球場が使用される。日本代表はここで北京オリンピックのアジア予選を戦った経験がある。

 

侍ジャパンが最初に戦う舞台、台中洲際球場
侍ジャパンが最初に戦う舞台、台中洲際球場

 現地プロリーグKBOのキウム・ヒーローズの本拠、ソウル・高尺スカイドームで開催される韓国ラウンドには、前回優勝の韓国(3位)の他、キューバ(5位)、カナダ(10位)、それに初出場となるオーストラリア(7位)が入った。

 なお、今回1次ラウンドで使用される3球場は、過去にWBCの会場となった経験をもつ。この1次ラウンドの各グループ上位2チーム、計6チームが日本(東京、千葉)で開催される総当たりの2次ラウンドに進み、11月17日に東京ドームで決勝と3,4位決定戦が行われる。

 この大会は来年の東京オリンピック予選も兼ねており、開催国・日本を除くアジア・オセアニア地区(韓国・台湾・オーストラリア)の最上位国と南北アメリカ大陸(アメリカ・キューバ・メキシコ・ベネズエラ・カナダ・プエルトリコ・ドミニカ)の最上位国に出場権が与えられる。

 また、この会見に先んじて、3月に実施される侍ジャパン強化試合に臨むメキシコナショナルチームの新ユニフォームも発表された。

現在発表されている代表メンバーは以下のとおり。メンバーの中には、日本のプロ野球経験者や、昨年メジャーで「オープナー」として話題を呼んだセルジオ・ロモらの名前がある。

捕手

セバスチャン・バジェ(Sebastian Valle)、ホルヘ・カリージョ(Xorge Carrillo)

内野手

ルイス・アルフォンゾ・クルーズ(Luis Alfonso Cruz)・元ロッテ・巨人、ラミロ・ペーニャ(Ramiro Pena)・元広島、ダニー・エスピノサ(Danny Espinosa)、マニー・ロドリゲス(Manny Rodriguez)、アガスティン・ムリーロ(Agustin Murillo)・元楽天、ルイス・フェリッペ・フアレス(Luis Felipe Juarez)、フェルナンド・ペレス(Fernando Perez)

外野手

レオ・エラス(Leo Heras)、 リッキー・ロドリゲス(Ricky Rodriguez)、 ホセ・フアン・アギラール(Jose Juan Aguilar)、 ロベルト・ロペス(Roberto Lopez)、 ビクトール・メンドーサ(Victor Mendoza)

投手                    

ホセ・サマヨア(Jose Samayoa)、アーノルド・レオン(Arnold Leon)、 ホルヘ・レイエス(Jorge Reyes)、 ダニー・ロドリゲス(Danny Rodriguez)、 オルランド・ララ(Orlando Lara), マニー・バレダ(Manny Barreda)、 ジェイク・サンチェス(Jake Sanchez)、 アンドレス・アビラ(Andres Avila)、 フェルナンド・サラス(Fernando Salas)、 セルジオ・ロモ(Sergio Romo)、ルイス・アロンソ・メンドーサ(Luis Alonso Mendoza)・元日本ハム・阪神、ラファエル・マルティン( Rafael Martin)、 アルド・モンテス(Aldo Montes)、ハイメ・ルーゴ(Jaime Lugo)

(特記なしの写真は筆者撮影)

ベースボールジャーナリスト

これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。

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