とらやさんの夏イチオシの組み合わせ!季節限定「西瓜」と黒糖羊羹「おもかげ」でノスタルジックなひと時を
連休中に故郷へ帰省をなさるという方も、近場で過ごすという方も、いやいや仕事ですよという方もいらっしゃるかと思いますが、皆さんのご予定はいかがでしょうか?
休日であれお仕事であれ、ふと空を見上げた瞬間、どことなく秋の気配がちらついていると思ったのは私だけでしょうか。立秋を迎えた空は、なんとなく夕暮れが早くなったような。
「とらや」さんでは間もなく、夏の生菓子から秋の訪れを知らせる生菓子へと交代します。その前に今一度、夏の名残を取り入れてみてはいかがでしょう。
今回はとらやさんの生菓子「西瓜」と定番でありながら残暑厳しい日にも相応しい羊羹「おもかげ」をご紹介。
西瓜と言えば球体ですが、とらやさんが魅せる西瓜は端正な正方形。現実にはありないようでありながらも、しっかり西瓜だと思わせてくれるところが日本が誇る感性のひとつなのではないでしょうか。
なんとも涼やかな錦玉は深緑色に染められ、西瓜の皮の部分でありながら草木が揺れる音が今にも聞こえてきそう。対して見の部分はおめかしをした白小豆の羊羹。とらやさん独自の品種でもある「福とら白」という上品な余韻とあっさりとした風味が心地良い白小豆の甘露に、種に見立てたほくほくの小豆を散らして。
いずれも通年お作りされているものや手に入るものでありながら、その佇まいにより四季を連想させるという和菓子の醍醐味が活きた生菓子です。
もうひとつ。沖縄県西表島の黒糖を溶かした黒糖羊羹「おもかげ」。
甘さ、風味立ち、口当たり、そしてきめ細やかな粒子と全てにおいて納得といいますか、体に染み込んでくるような滋味深さと気品の高さを放つ黒糖羊羹。一口ずつしっかり噛みしめて楽しみたい羊羹です。
華やかでありながら、どこか底の見えない奥深さを覚えるとらやさんのおもかげ。丁寧なお菓子ゆえにじっくりと夜にいただきたいと思うのですが、お菓子の味と向き合っているうちに何となく遠い日の記憶が脳裏を掠め始めるのです。
しかしそれもおぼろで、はっきりと輪郭を描く前に黒糖羊羹がこっちを向いてとばかりにカットイン。なるほど、とその菓銘に思わず口角が上がります。
残念ながら西瓜は8月15日までの販売となりますが、もし取り扱い店舗まで足を伸ばせる方は、こちらの組み合わせでいよいよ短くなってきた夏を嗜んでみてはいかがでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<とらや・赤坂店>
公式サイト(外部リンク)
東京都港区赤坂4-9-22
03-3408-2331
9時~18時(土日祝 9時30分~)
定休日 毎月6日(12月を除く)