きゅん、とときめく上生菓子♪120年以上もの間愛される「松華堂」さんのお菓子はお茶席からの指名も多数
心、という言葉には、様々な慣用句があります。心弾む、奪われる、洗われる…そして、和菓子の中でもひと際「心ときめく」という言葉が似合うのが、愛知県半田市にお店を構える「松華堂」さんの上生菓子と私は思うのです。
創業明治36年、120年以上もの間暖簾と真摯にお菓子と向き合う姿勢を紡いでいらっしゃるお店の起源は、江戸時代後期とも。二週間ごとにラインナップが変わる上生菓子たちは素材にも強い拘りを持ち、茶の湯文化が今も尚栄えている名古屋市をはじめ、多方面のお茶席からの信頼も厚いお店です。
そして今回は、都内にいながらにして名古屋市を中心とした愛知県の和菓子を購入できる新宿高島屋さんの企画、名古屋直行便にて購入した松華堂さんの「秋の上生菓子」をご紹介。
贅沢にも希少な白小豆をふんだんに使用したお菓子たち。特に秋の定番の意匠ともいえる菊を模した「千代見草」は、伊勢芋のまろっとした風味が心地よく口の中を満たしてくれ、薯蕷練り切り特有の粘り気と甘さが相まって非常に上品な仕上がりに。また、中には白小豆の粒餡が包まれており、一般的な小豆よりもやや名残惜しいあたりで去っていく余韻に後ろ髪を引かれる美しい味。
個人的に天晴と膝を打ったのが「栗千代」。小田巻で白小豆餡に潰して裏ごしした栗をあわせた栗餡を小田巻に詰めて絞り出すのですが、粒が残りすぎていても穴が詰まってしまい、絹糸のようにならないのです。繊細で可憐なモンブランのようなお菓子ですが、裏ごしする手間暇などが詰まった力も要するのです。
また、上生菓子の栗きんとん同様、中にはさらりとしたなめらかなこし餡が。上生菓子としての栗きんとんが、見事に松華堂さん流に落とし込まれた作品です。
日没の時間が早まり秋も深くなるにつれて街を彩る色彩はシックになっていきがちですが、松華堂さんの上生菓子は一年を通して淡いパステルカラーのような愛くるしい色彩美のお菓子が揃い、ちょっと気持ちが沈んだ時にお菓子のラインナップをホームページやSNSで拝見すると、なんとなく心が上向きになるのです。
和菓子できゅん♪とする秋はいかがでしょう?
尚、今回ご紹介した内容とは異なりますが上生菓子のお取り寄せも公式サイトより可能とのことです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<松華堂>
公式サイト(外部リンク)
愛知県半田市御幸町103
0569-21-0046
8時30分~17時30分
定休日 水曜・第三火曜・元旦&2日