ロシア軍のKh-22巡航ミサイルが道路機械工場に着弾する瞬間
6月27日にウクライナ中部のポルタワ州クレメンチュクを攻撃したロシア軍のKh-22巡航ミサイル2発は、1発がショッピングセンター「アムストル」に着弾し、もう1発が隣の道路機械工場「クレドマシュ」に着弾しています。
29日に監視カメラが捉えたショッピングセンターへの着弾の動画が公開され、30日に監視カメラが捉えた道路機械工場への着弾の動画が公開されました。
СБУ встановила обставини запуску ракет по ТЦ у Кременчуці (відео) | Служба безпеки України
「SBUはクレメンチュクのショッピングセンターでのミサイル射撃の状況を確立しました(ビデオ)| ウクライナ保安庁」 ※СБУ(SBU)はウクライナ保安庁の略称
- 03秒~07秒 ショッピングセンター周辺の道路?(着弾時)
- 08秒~12秒 道路機械工場の北側にある公園の池(着弾時)
- 13秒~17秒 Tu-22M3爆撃機が発進したカルーガ州シャイコフカ基地
- 18秒~24秒 ショッピングセンター着弾前の様子(店内)
- 25秒~28秒 ショッピングセンター着弾時の様子(※ミサイル確認)
- 29秒~34秒 ショッピングセンター着弾時の様子(店内)
- 35秒~36秒 ショッピングセンター付近の駐車場?(着弾時)
- 37秒~43秒 道路機械工場に着弾する様子(※ミサイル確認)
- 44秒~45秒 ショッピングセンター着弾後の様子(店内)
- 46秒~49秒 ショッピングセンター着弾後の様子(火災)
- 50秒~55秒 クレメンチュクの被害を受けた施設の位置関係の説明
- 56秒~62秒 ショッピングセンター消火救助作業
37秒ごろに道路機械工場に突入する寸前のKh-22巡航ミサイルが監視カメラに捉えられています。
また30日の発表でウクライナ保安庁は27日のクレメンチュク攻撃でKh-22巡航ミサイルの発射された空域に言及しています。29日の時点で筆者は動画を見てミサイルが飛来して来たのはベラルーシ方面からと予想していましたが、実際にはクルスク方面から飛来してきたことが分かりました。
ロシア空軍のカルーガ州シャイコフカ基地から真っ直ぐにクレメンチュクへ向かうとクルスク州の空域には入らないので、Tu-22M3爆撃機は東寄りに旋回してからKh-22巡航ミサイルを発射したことになります。
クレメンチュク攻撃の着弾地点2つ(ショッピングセンターと道路機械工場)を結んだ延長線上にちょうどクルスク州が掛かるので、仮にこのコースで飛来した場合でクルスク州の上空で発射されたならば、Kh-22巡航ミサイルの飛翔距離は260~390kmになります。(性能上の最大飛翔距離は600km)
Kh-22巡航ミサイルの最大性能は赤線の距離を飛べます。ミサイルの仕様上、可能かどうかは不明ですが、液体ロケット燃料の噴射をわざと停止して燃料が残ったまま滑空飛行を行い突入させた場合、残燃料で延焼性能を強化することができるかもしれません。