残業を劇的に減らし、働き方改革を促進する「アーリー&スピーディー思考」
労働時間を減らしたり、残業を短くするためには、結局のところはやく仕事を終わらせることができたらいいのです。
現場に入って目標を絶対達成させるコンサルティングをしている身としては、支援企業に入り、仕事の進め方を傍から見ていてとても歯がゆく思う時があります。とにかく「遅い」。イライラするぐらいに「遅い」。給料をもらっているのにもかかわらず、なぜこんなに「遅い」のか、と思うことが。
何が「遅い」のかと言いますと、2つあります。
1)仕事をはじめるのが「遅い」
2)仕事そのものが「遅い」
前者の「遅い」は、取り掛かるまでが遅いという意味です。スタートする時期が「遅い」。1日の中でいうなら、午前中にやっておけばいいのに、夕方ぐらいになってスタートさせたら残業になって当たり前です。上司に言われてすぐにやっていればそれほど時間をかけずに片付いたものの、3日も4日も経過してからスタートさせたら、
「そういえば何を頼まれたっけ?」
と思い出すのにも時間がかかります。取り掛かるのを遅くした分だけ、やろう! という気持ちもすぐに沸き立つことはありません。
後者の「遅い」は、仕事の処理スピードのこと。普通にやれば30分で終わる仕事を1時間もかけてやっていたりすれば当然、仕事が終わるのが遅くなります。ネットを見ながら作業をしたり、わかっている人に聞かず独りよがりな仕事をしていれば時間がかかって当然。本来なら1日で終わる仕事を、2日も3日もかかってやっている人は自己管理能力が低いと言えるでしょう。
時間単位で計測できる作業なら、たいして大きな問題には発展しません。しかし多くの人を巻き込んだプロジェクトだとどうでしょうか。たとえば「新規事業開発」や「営業組織改革」「次世代リーダー育成」といった、比較的大きなプロジェクトを、
「やろうやろう、と思っていはいるものの、なかなかスタートできない」
という状態を続けていたら?
「スタートはしたけれど遅々として進まない。議論が平行線だし、会議にメンバーが集まらないし」
という状態を続けていたら?
当然うまくいくものもうまくいきません。「社内で、この問題にしっかり向き合い、しかるべきメンバーを集めて対処しよう」と誰かが言ったら、とにかく早くスタートするのです。取り掛かる時期を早くするのです。そして、そのプロジェクトを半年も1年もかけるのではなく、集中して、意思決定スピード、行動スピードを速め、1ヶ月や2ヶ月で終わらせるのです。
ポイントは「早い」と「速い」。「アーリー」&「スピーディー」です。起業家の思考を見習いましょう。とにかく決断したら、取り掛かるのが早い。そして事業化するまでのスピードが速い。
会社ができあがって時間が経ち、従業員も増えてベテラン社員が増えたら、「アーリー&スピーディー思考」を手に入れることは難しいでしょう。たとえ同じような事業内容であっても、新興企業にいとも簡単に抜かされるのは、こういう理由があるからです。
ポイントは「早い」と「速い」です。中身や内容を考えている暇があれば、早く着手し、速く処理する習慣を身につけましょう。