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カーショウに続き、通算奪三振の球団記録を塗り替えそうな投手はいるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドジャー・スタジアム Apr 30, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月30日、クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)は、6イニングを投げて1失点にとどめ、7三振を奪った。3回表の奪三振(2アウト目)で通算2696奪三振とし、ドン・サットンが持つドジャースの球団記録に並び、4回表の奪三振(1アウト目)でサットンを追い抜いた。

 サットンは、1966~80年と1988年にドジャースでプレーした。1981~87年はドジャース以外の4チームで投げ、計878三振を奪っている。カーショウは、メジャーリーグ15年目。2006年のドラフトでドジャースから全体7位指名を受け、2008年にメジャーデビューした。昨オフ、初めてFAになり、1年1700万ドルの再契約を交わした。

 現役投手では、スティーブン・ストラスバーグ(ワシントン・ナショナルズ)も、通算奪三振の球団記録を保持している。こちらは、ナショナルズ一筋に投げ、1718奪三振。2019年8月9日に、スティーブ・ロジャースの1621奪三振を上回り、球団トップに立った。今シーズンは、首を痛めて開幕から故障者リストに入っているが、今月中には復帰できそうだ。

 また、今シーズン、奪三振の球団記録を塗り替えるのは、カーショウだけではないかもしないしれない。ハーマン・マーケズ(コロラド・ロッキーズ)は、昨シーズンを終えた時点で816奪三振。ロッキーズの球団記録は、ホルヘ・デラロサの985奪三振だ。マーケズは、今シーズンの4登板で計14三振を奪っているので、あと156奪三振でデラロサを追い越す。2018年以降、短縮シーズンの2020年を除く3シーズンとも、175奪三振以上を記録している。ちなみに、デラロサとマーケズの間の球団2位には、849奪三振のジョン・グレイ(テキサス・レンジャーズ)がいる。昨オフにFAとなったグレイは、4年5600万ドルの契約でレンジャーズに迎えられた。

 他には、クリス・アーチャー(ミネソタ・ツインズ)が、タンパベイ・レイズの球団記録、ジェームズ・シールズの1250奪三振まで83奪三振だ。夏にレイズへ移籍すれば、今シーズン中の記録更新もあり得なくはない。もっとも、レイズとツインズは、どちらも12勝9敗で4月を終えた。レイズがアーチャーを呼び戻したいと考えるかどうかはさておき――アーチャーは2012~18年と2021年にレイズで投げた――今のところ、ツインズが夏のトレード市場で売り手に回る可能性は皆無と言っていい。

 なお、アダム・ウェインライト(セントルイス・カーディナルス)は、メジャーデビュー前にアトランタ・ブレーブスからカーディナルスへ移り、その後は移籍することなく2030奪三振を記録している。これは、球団2位だ。ただ、1位のボブ・ギブソンとは1000奪三振以上の差がある。ギブソンはカーディナルス一筋に投げ、3117三振を奪った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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