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太平洋で気になる雲域が拡大中、2つの熱帯擾乱が発生か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

2つの低圧部が発生する予想

予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)
予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像の雲の様子をみると、フィリピンの東海上で対流活動が次第に活発となっており、特に①②と赤丸で囲んだ付近で雲域が拡大している状況です。

気象庁発表の予想天気図をみると、この①②付近で、あす9日(日)午前9時までに2つの低圧部が発生する予想です。低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が推定出来るようになると、台風のたまご、熱帯低気圧に名前が変わります。

今のところ、あさって10日(月・スポーツの日)午前9時の予想でも低圧部のままなので、急速に発達するような予想とはなっていませが、②の低圧部が今後、気になる存在となるかもしれません。

諸外国を含めた様々な計算をみると、この②の低圧部が3連休明けにかけて、北西方向へ進みながら発達し、熱帯低気圧や台風とみられる勢力に強めている計算が徐々に増えている状況です。

とはいえまだまだ計算はバラバラで、いつどこに、どれくらいの勢力で向かうのかなどは不確実性が非常に高いのですが、当面、3連休明けの沖縄方面は、この熱帯擾乱の動きを気にする必要がありそうです。

ECMWFの予想では?

ECMWFの発表に筆者加工あり
ECMWFの発表に筆者加工あり

参考までに、ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の予想では、今後発生するであろう低圧部が来週の後半にかけて、沖縄の南海上へ進む予想です。もしかしたら熱帯低気圧となっているかもしれません。

さらに懸念されるのが海水温の高さです。

海水温は上昇

海水温の状況(気象庁発表に筆者加工あり)
海水温の状況(気象庁発表に筆者加工あり)

上図は気象庁が発表している太平洋の海水温の状況で、左側が先月21日のものです。この時は大型で猛烈な台風14号が日本の南を北上したため、海水温がやや下がり、日本の南海上や沖縄の南海上付近では赤色の28度前後となっていました。

参考記事

ところがその後、じわじわと上昇し、きのう7日(金)の段階では、ピンク色の29度から30度くらいの高さとなっています。もしこのあたりの海域に熱帯擾乱が進んでくれば、一気に勢力を強める可能性も考えられますので、大変気になる要素となっています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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