オートバイのあれこれ『憧れのロスマンズ。』
全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。
今日は『憧れのロスマンズ。』をテーマにお話ししようと思います。
最近の新しいオートバイではもうほとんど見られませんが、かつてはレーシングマシン風のスポンサーカラーをまとったモデルが新車販売されていました。
ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキにそれぞれスポンサーカラー仕様があったわけですが、今回はホンダに注目。
1980年代を中心にホンダを彩った“Rothmans(ロスマンズ)”カラーの市販バイクをいくつか紹介しましょう。
◆前置き:ロスマンズとは
1990年代半ば以降は、主にスペインの石油産業メーカー・REPSOL(レプソル)からスポンサードを受けてモータースポーツ活動を行ってきたホンダですが、それ以前にはロスマンズがホンダのメインスポンサーを務めていました。
ロスマンズ(ロスマンズ・インターナショナル社)は、タバコやビールを製造していたイギリスのメーカーで、現在はもう存在しない企業ですが、全盛期の頃にはモータースポーツを幅広く支援していました。
ポルシェやフォードなど、四輪カテゴリーでサポートを行っていたロスマンズは、1985年(昭和60年)からホンダのWGP(世界グランプリ)活動を支援し始め、二輪レース界にも進出。
ホンダのGPマシン『NSR500』『RS250RW』はネイビーとホワイトの2トーンカラーで塗られ、そこへ“Rothmans HONDA”の文字が入れられていました。
そしてこのロスマンズカラーは、デビュー初年度からいきなり脚光を浴びることになります。
当時ホンダのエースライダーだったフレディ・スペンサー氏が、ロスマンズカラーのマシンを駆り、500ccクラスと250ccクラスの両クラスを制覇してしまったのです。
スペンサー氏が果たしたこの偉業はロスマンズホンダを世界中に広く知れ渡らせることにもなり、こうしてロスマンズカラーは世のバイクファンから憧れられる人気のカラーリングとなったのでした。
◆ロスマンズカラーが採用されたモデル
【NS400R】
GP500レプリカとして85年に発売されたNS400R。
このNS400Rが、初のロスマンズカラー採用市販車となりました。
【NS250R】
86年には、2ストクウォーターモデルのNS250Rにもロスマンズカラーをラインナップ。
84年のデビュー時には白地に赤の差し色が添えられた車体色でしたが、85年のWGPダブルタイトル獲得を記念して、86年に「チャンピオン・レプリカ・カラー」として用意されました。
【NSR250R】
88年に登場した『NSR250R SP』にもこのロスマンズカラーが採用されます。
このSP仕様のNSRはホイールが市販量産車としては史上初のマグネシウム製となっており、そういったディテールからも人気を博しました。
以上、ホンダには他にもロスマンズカラーが採用されたモデルがありましたが、今回は上記の3車をピックアップしました。
また別の機会に、他のスポンサーカラーも取り上げたいと思います。
画像引用元:本田技研工業