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虎視眈々と元王者を狙うWBAヘビー級2位

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 WBAヘビー級2位のロバート・ヘレニウス(38)が、10月15日に元WBC同級王者のディオンティ・ワイルダーと対戦する。会場はNY、ブルックリンのバークレイズ・センター。

 ヘレニウスにとっては、2020年3月、2021年10月とポーランドの人気選手、アダム・カナッキに2連続KO勝ちして以来の一戦だ。

写真:ロイター/アフロ

 フィンランド人であるヘレニウスにとっては敵地でのファイトとなるが、カナッキとの初戦で4回TKO勝ちを収めた思い出の地でもある。

 現地時間8月30日にセットされた記者会見でWBA2位は語った。

 「トレーニングキャンプは順調に進んでいる。非常にいい状態だよ。これまでの長いキャリアにおいて、自分は多くの優秀な選手と戦ってきた。もちろん、今回は大きな試合。ディオンティを尊敬しているが、アメリカに到着したら自分の持っている全てをぶつける。

 己の能力を生かして勝利する準備が整っている。前回の試合から2週間休んだだけで、ずっと練習を重ねてきた。自分は、勝利するだけのレベルにあるさ。

写真:ロイター/アフロ

 フィンランドのファンに、世界タイトルを祖国に持ち帰る約束をしているんだ。出来る限りのことをする。そして、世界一となるために必要なプラスアルファも身に付ける。

 世界ヘビー級タイトルを獲得するためには、非常に大きな意味を持つ試合だな。もし、自分の未来を信じられなければ、現役を続けはしない。もっと楽な仕事に就いているよ。10月15日はバイキングの精神でリングに上がる」

写真:ロイター/アフロ

 2mとヘレニウスの身長は、元WBC王者とほぼ同じ。だが、体の厚みがアドバンテージとなりそうだ。彼がいかなるバイキングぶりを発揮するかに注目したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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