iDeCoをはじめる金融機関の選び方と商品ラインナップの違い
iDeCoはつみたてNISAと異なり、商品ラインナップが金融機関によって異なります。従って、iDeCoをスタートする際はどこの金融機関に口座を開設するか考える必要があります。詳細に比較したい人、どこでもいいから手続きが楽な方が良いと考える人など様々でしょう。初めてiDeCoを考えるときのお役に立てれば幸いです。
iDeCo比較の情報源
そもそもiDeCoについて知りたい場合は、厚生労働省のウェブサイト内にある、「iDeCoの概要」を見ると良いでしょう。
1.iDeCoとは
2.加入方法
3.制度の詳細
4.iDeCoのパンフレット等
と一通りiDeCoについて説明がされています。
iDeCoについてもう少し知りたくなったら、iDeCo公式サイトを見てみましょう。
厚生労働省のウェブサイトでは、文章での説明が大半ですが、iDeCo公式サイトでは、イラストやグラフを用いて視覚的にわかりやすく説明しています。iDeCoの普及推進キャラクターである「イデコちゃん」はシロイルカです。イデコちゃんが掲載されているサイトはそれなりに信頼性が高いと考えてよさそうです。
iDeCoの細かい規約を知りたい人は、個人型年金規約を確認すると、iDeCoについてのルールが確認できるでしょう。規約を読むことでiDeCoの実務的な業務がわかるようになります。※難しく感じて心理的ハードルが高まる恐れがありますので、初心者は見ないほうがいいでしょう。
iDeCoの取り扱い金融商品
iDeCo利用のハードルの1つが金融機関選びでしょう。一口にiDeCoといっても金融機関ごとに商品ラインナップや手数料が異なります。給与振込口座にしようとか、特定の金融機関に限定して探すことも可能です。金融機関選びは商品選びでもあるので、本来はどのような商品に投資することができるか比較してから選んだほうが良さそうです。
iDeCo公式サイトでは、運営管理機関の一覧は検索できます。
・金融機関の特長
・手数料体系
・運用プラン体系(商品ラインナップ)
を確認することができるのですが、どんな金融機関があるのか事前にわかっていないと検索することが難しいかもしれません。
比較的中立に見えるiDeCo関連のウェブサイトとしてはiDeCoナビがあります。このサイトでは、金融機関ごとの運用商品数や手数料の比較ができます。ただし、「詳細はこちら」をクリックすると、金融機関の営業用サイトに画面が切り替わります。金融機関から広告費が支払われない場合は、営業用のサイトにたどり着かない構造になっていると知っておくと良いでしょう。「詳細はこちら」が出ていない金融機関の場合は、直接該当する金融機関のウェブサイトを探してみるとよいでしょう。
iDeCoナビ自体は公的なサイトではなく、広告出稿のある金融機関のみ、詳細の情報ページに移動することができるようになっている営業用のサイトである点は注意が必要と感じます。無理やり特定の金融機関を推奨する構造にはなっていないため、比較サイトとして利用したとしても問題はなさそうです。
営業的な要素を抜きに検討したい場合は、iDeCo公式サイトから興味のある金融機関をピックアップすることになるでしょう。
iDeCoを通じて投資できる商品
iDeCoでは金融機関ごとに商品ラインナップが異なります。そのため、1つ1つ調べていてはキリがないので分類しました。
元本確保型商品
定期預金、年金、損害保険など元本割れの可能性がない商品群です。元本確保型商品が豊富な金融機関もありますし、取り扱いゼロの金融機関もあります。価格変動リスクのある投資信託を購入したくない人の選択肢となります。
債券投資信託
国債や社債など債券と呼ばれる金融商品に投資するタイプの投資信託です。リスクの低い国内債券タイプ、為替リスクを伴う先進国の外国債券タイプ、金利が高く為替リスクも大きい新興国・エマージング債券タイプ、為替リスクがあり金利が高い反面信用リスクが高い銘柄であるハイイールド債券タイプなど様々な種類があります。債券=ローリスクと思っている人もいると思いますが、為替リスク、信用リスクなど含めるとハイリスクになっている商品もあります。
株式投資信託
上場している会社の株式に投資するタイプの投資信託です。国内企業に投資する国内株式タイプ、アメリカの株式に投資する米国株式タイプ、アメリカを中心とする先進国株式に投資する先進国株式タイプ、世界中の株式に投資する全世界株式タイプ、新興国の株式に投資するエマージング株式タイプなど、地域を指定して運用するタイプがあります。他にも、株式指数と呼ばれる指標に合わせて投資するインデックス運用タイプ、株式指数よりも高い利益を求めて投資するアクティブ運用タイプがあります。
不動産投資信託
リート(REIT)と呼ばれる不動産(ビル、マンション、ホテル)にだけ投資する投資信託です。国内、海外、インデックス、アクティブなどいくつかの組み合わせがあります。iDeCoの中では脇役的な存在と言えます。
コモディティ
金(ゴールド)など、コモディティと呼ばれるジャンルに投資する投資信託です。単純に投資対象の値上がりを期待して投資する場合と、他の投資信託とは異なる理由で価格が動くことを期待して投資する場合があります。iDeCoのラインナップに入っていることが少ないレア商品といえます。
バランス型投資信託
債券、株式を複合的に組み合わせて投資する投資信託です。自分で投資配分を決めなくても、ファンド側が投資の配分を決めてくれるため、なんとなく安心感があるかもしれません。投資の際の注意点は、値上がりまたは値下がりが起きた時に何が原因で価格が動いたのか分かりづらいことがあります。
投資配分に迷ったら
何に投資するか迷ったら、公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産配分を参考にするとよいでしょう。
国内債券 25%
外国債券 25%
国内株式 25%
外国株式 25%
それぞれ乖離許容度が記載されています。
※上記5行を追記しました。(2021年6月14日)
債券中心の時期と株式中心の時期など、機動的に運用内容を変化させていることがわかります。
尚、ファイナンシャルプランナーは個別投資対象の推奨ができません。投資助言・代理業を営む会社に相談するという方法もありますが、iDeCoの金額規模ですとコストが大きく割に合わない可能性があります。
まずは口座開設から初めて、投資対象は元本確保型を手始めに、徐々にリスクのある商品を購入するのも1つの進め方ではないでしょうか。