103万円の壁、106万円の壁、何を知っておくべき?に関するFP目線でのまとめ #専門家のまとめ
今最も注目を集めているお金に関するテーマの1つに所得税の課税対象となる「103万円の壁」の見直しがあります。また、社会保険料の加入対象となる「106万円の壁」をどうするかも関心が高まっています。収入の壁についての報道や解説をまとめました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
103万円の壁は年収の壁などとも言われ、課税対象となったり社会保険への加入により手取りが減少する境目となります。年収の崖と表現する人もいるようです。確かに、壁ではなく崖、「落とし穴」といった表現の方が、手取りの減少をうまく説明できていると言えるでしょう。
どの壁も最低賃金の引上げに伴う壁の引上げをしなかったために特に注目を集めており、政策的な不作為と言えそうです。この不作為により実質的な増税になっていることが、筆者がもっとも着目すべき点と言えます。
この年収の壁に限らず、賃上げをしているにも関わらず各種所得控除、特に給与所得控除を減額していることは、単なる所得控除の減少による増税だけでなく、賃上げという本来喜ぶべき事象が、翻って所得税率の引き上げにより所得税をもって国に回収される結果となります。
国民民主党の代表である玉木氏のスキャンダルにより、減税の勢いが削がれる懸念がありましたが、財務省のSNSに多くのコメントが付いているとニュースになったように、国民の多くは年収の壁の見直しによる減税と「手取り増」を望んでいるのではないでしょうか。