宇宙にまで到達した噴火 1000年に一度のフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ噴火、日本まで津波が到達
2022年、トンガ王国のフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ海底火山で凄まじい噴火が発生しました。過去100年で最大の噴火となり、噴き上げられた噴煙は観測史上最高である57kmに到達しました。更には、噴火の影響により電離圏には穴が空き、高度2000kmの宇宙空間までその影響が及んだことが確認されました。
これは、海底火山によるマグマ水蒸気爆発と考えられています。火山は陸の上にあるものが全てではなく、海の中にある火山の数の方が多いのです。水深の深い海底火山の場合、水圧が大きいため爆発的な噴火は発生しません。しかし、もし水深の浅い海底火山が噴火すると、マグマが海水と接触することで水蒸気となり一気に膨脹爆発する「マグマ水蒸気爆発」が発生します。噴火で発生する溶岩などが大量の場合は、海面に新たな島が誕生することもあるのです。
これ程の規模の噴火は、アメリカが保有する最大の核爆弾に匹敵するほどであったとのことです。更に、トンガでは20メートルの津波が発生し、日本でも1.2メートルの津波が観測されました。そして、146テラグラムという、もはやどの程度か良くわからない量の水蒸気が大気中に放出されました。その影響により、一時的に地球には温暖化が訪れたとの事です。その爆発音は、約1万km離れたアメリカ・アラスカ州でも聞くことができました。
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