200年以上続く佐渡「しまや」さんの大福は名産品同士の合体技!ふっくらお餅に包まれた濃厚なあんぽ柿
7月下旬、嬉しいニュースが発表されましたね。第46回世界遺産委員会において、新潟県「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録されることが決定したと報道されました。その理由にはいくつかあるのですが、「今日に至るまでの保存状態が良いこと」はもとより、「完全手作業による採鉱・精錬作業にも関わらず、世界トップクラスの生産量」を誇ったということも大きな理由の一つ。
日本の職人技のレベルの高さを世界に知らしめた遺産のひとつともいえますね。
その佐渡島は、良質なお米とおけさ柿という種無しの渋柿の名産地。おけさ柿は、夕焼け色のあんぽ柿として販売されているのを見たことがある方も多いのでは?
今回は佐渡島で1808年より歴史を紡ぐ老舗の和菓子屋「しまや」さんより、特産品を包んだ大福「あんぽ干柿大福」をご紹介。
ふっくらとしたお餅は仄かに温もりのある色合い。手に取った瞬間に、なるほどなかなか厚手のお餅だと実感。佐渡島産の糯米を搗き上げたお餅はコシと粘り気もあり、素朴ながらもどっしりとした腰を備えた安定感がありますね。
同様に、中に包まれている白餡も瑞々しいというよりは、滑らかでありながらしかりと練り上げられた質感です。あっさりとした甘さですが、これでは若干大福としては物足りないのかも…と思いきや。猛スピードで口の中に充満していく濃厚なおけさ柿のあんぽ柿。あまりにも力強く華々しい香り、甘味に、包まれている量を二度見してしまったほど。
天然のジュレ、と申しますか、とろりとした蜜の如く美味しいところ後ぎゅっと凝縮させたあんぽ柿がさらりとした白餡と交わり、さらに噛みしめるごとにふくよかな甘味や旨味が滲む餅生地も折り重なるとなんとも言えない風味豊かなハーモニーに。
あんぽ柿とお餅の特産品同士による余韻も心地よい。
しまやさんが創業なさった19世紀初頭は、まだ現役だった佐渡の金山。金に携わる作業をなさる方々も、しまやさんの和菓子を作業の傍らおやつに召し上がりながらほっと一息ついていたのでしょうか。
あんぽ柿だけではなく、歴史浪漫も一緒に包んだ大福のような気がしました。
こちらは公式サイトよりお取り寄せも可能となっております。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<しまや>
公式サイト(外部リンク)
新潟県佐渡市五十里989-1
0259-52-6166
8時~18時(8月のみ19時まで営業)
定休日 元旦