猫が『舌をしまい忘れる』理由5つ!かわいい“あっかんべー”に隠された気持ちとは?
猫が「舌をしまい忘れる」行動は、飼い主にとって微笑ましい瞬間のひとつです。
この「舌をペロリと出したままの姿」は、まるであっかんべーをしているかのようで、猫のかわいらしさが際立ちます。
しかしその無邪気な猫の行動には、さまざまな理由や猫の気持ちが隠されているようです。
1.猫が『舌をしまい忘れる』理由5つ!
1‐1.グルーミングで疲れたから
猫が舌をしまい忘れる理由の一つに、「グルーミングで疲れたから」というものがあります。
グルーミングは、猫にとって非常に重要な日課です。猫は自分の体を清潔に保つために、毎日何度も自分の舌を使って体を舐めます。
猫の舌には逆向きの小さな突起(糸状乳頭)があり、これがブラシのような役割を果たして、被毛の汚れや古い毛を取り除くという仕組みです。
そしてこのグルーミングという行為は、猫にとってリラックスする時間であると同時に、肉体的にも少なからず労力が必要なものといえます。
グルーミングでは猫が集中して舌を動かし続けるため、舌の筋肉が疲れてしまうようです。
とくに長時間グルーミングを行った後や、全身をくまなくケアした後などは、猫の舌の筋肉が一時的に疲労し、舌をしっかりと口の中にしまう力が弱まってしまいます。
その結果猫は舌をしまい忘れて、クスっと笑えるマヌケ顔のままになるのですね。
1‐2.舌をしまいにくい顔のかたちだから
猫が舌をしまい忘れる理由のひとつに、「顔のかたち」が影響していることがあります。
なかでもペルシャ猫やヒマラヤン猫、エキゾチックショートヘアなどの短頭種に見られる「短い鼻と平らな顔のかたち(下あごが小さい)」は、舌をしまいにくくする要因となるのです。
このタイプの猫は舌をしっかりと口の中に収めることが難しく、また舌が口の外に出やすい特徴があります。
この「顔のかたち」による舌をしまい忘れる行動は、短頭種の猫にとっては自然なものであり、基本的には健康上の問題を示しているわけではありません。
1‐3.単純にしまい忘れたから
猫が舌をしまい忘れる理由のひとつに、「単純にしまい忘れたから」というものがあります。
猫が特に何かを意識していない状態で、無意識に舌を出したままになっている状態ですね。
この現象は猫が何かに集中しているとき、例えば遊びやグルーミングの途中で見られるケースが多いです。
具体的にはグルーミングや食事の最中に突然大きな音が鳴ったり、もしくは虫が目の前を通過したりといった出来事があると、それに集中してしまい無意味に舌を出したままになります。
猫は非常に繊細で自分の身体をコントロールする能力に優れていますが、それでも時には「うっかり」舌をしまい忘れることがあるのですね。
人間でも集中して何かに取り組んでいるときに、つい口を開けてしまうことがありますが、それと似たような感覚です。
1‐4.リラックスしているから
猫が舌をしまい忘れる理由のひとつに、「リラックスしているから」というものがあります。
猫は基本的には警戒心が強く、とても敏感な動物です。そのため野生下で生きる猫は舌を出しっぱなしにするなど、ほとんどありません。
しかし外敵に襲われるリスクのないイエネコの場合は、その限りではなく、安心できる環境やリラックスした状態にあるときに、舌を出したままにしてしまうことがあります。
警戒心ゼロで身体全体が緩んでいると、ついつい舌を出しっぱなしにしてしまうようです。
とくに飼い主の膝の上で寝ているときや、お気に入りの場所でくつろいでいるときに見られることが多く、リラックスしきっている状態を示しています。
1‐5.高齢だから
猫が舌をしまい忘れる理由のひとつに、「高齢だから」という要因があります。
猫も人間と同様、年齢を重ねるにつれて体のさまざまな機能が低下するもの。そして筋力や歯や口腔内の健康状態にも、影響を与えます。
高齢猫に見られる舌をしまい忘れる行動は、こうした加齢に伴う変化が原因であることも多いのです。
まず年齢とともに筋力が衰えることが挙げられます。猫の舌は食事やグルーミングの際に重要な役割を果たしますが、その筋肉が年を取るにつれて弱くなります。
その結果、舌を口内にしまう力が不足し、舌が外に出たままになってしまうことがあるようです。
次に、歯の問題も関係します。高齢猫は歯周病や歯の欠損といった口腔内の問題を抱えていることが多く、これが舌をしまい忘れる原因となることもあるのです。
歯が抜けてしまうと自然に舌が外に出やすくなり、また口腔内の炎症や痛みによって、舌をしまうことが困難になる場合もあります。
高齢猫が舌をしまい忘れる行動は、加齢による自然な現象であり、必ずしも健康に問題があるわけではありません。
しかし歯や口腔内、そのほかの健康に関する問題が原因である場合も考えられるため、定期的な健康チェックや、異常が見られた場合には必要に応じて獣医師に相談しましょう。
2.猫が舌を出しながら呼吸(パンティング)していたら要注意!
パンティングとは動物が暑さや運動後に見せる、口を開けて「ハアハア」と呼吸する行動のことです。
犬にとっては自然な行動ですが、成猫がこのような状態に陥ることは非常に稀であり、通常ではありません。
そのためとくに激しい運動もしていないに、猫がパンティングをしている場合は、何かしらの問題が起きているサインだと思ってください。
とくに中年期を過ぎた猫がパンティングをしていたら、呼吸器疾患や甲状腺機能亢進症といった病気を患っている可能性もあります。早めに獣医師に相談しましょう!
3.まとめ
猫が舌をしまい忘れる理由は、今回紹介したようなさまざまな要因が考えられます。
多くの場合、猫が舌をだしっぱなしにしていても心配する必要はありません。
ただし苦しそうに呼吸していたり、他の症状と併発している場合は、早めに獣医師に相談するのをおすすめします。