ブロックバスター・トレードは8月にも起きる。5年前にはオールスター3選手ら計9人が動くトレードが成立
8月にもトレードが起きることは「トレード・デッドラインを過ぎても、補強はできる。8月のトレードを簡単に説明すると…」で説明した。今シーズンも、8月に入ってからいくつものトレードが成立している。例えば、ニューヨーク・メッツは3人のレギュラー野手を放出した。ジェイ・ブルースはクリーブランド・インディアンズ、ニール・ウォーカーはミルウォーキー・ブルワーズ、カーティス・グランダーソンはロサンゼルス・ドジャースへ移籍した。
過去には、8月にブロックバスター・トレードが成立したこともある。今から5年前、2012年8月25日のことだ。エイドリアン・ゴンザレス、ジョシュ・ベケット、カール・クロフォード、ニック・プントの4選手が、1170万ドルとともにボストン・レッドソックスからドジャースへ移り、彼らと交換に、イバン・デヘスス、ジェームズ・ローニー、アレン・ウェブスターと後日発表の2選手(ルビー・デラロサとジェリー・サンズ)が、ドジャースからレッドソックスへ移籍した。
ドジャースが獲得した4人のうち、ゴンザレス、ベケット、クロフォードはオールスター・ゲーム選出3度以上――3人合わせて11度――の実績を持ち、この年のクロフォードは故障に泣かされていたものの、ゴンザレスはレッドソックスで一塁を守り、ベケットはローテーションの一角を占めていた。
それ以上に目を惹いたのは、彼らの契約だ。当時、ゴンザレスは7年1億5400万ドルの1年目で、ベケットは4年6800万ドル、クロフォードは7年1億4200万ドルのそれぞれ2年目だった。2013年以降の総額は、2億6100万ドルに上った。
トレード前日の時点で、ドジャースは68勝58敗だった。地区首位のサンフランシスコ・ジャイアンツとは3ゲームしか離れておらず、ワイルドカード・レースではアトランタ・ブレーブスまで3ゲーム、セントルイス・カーディナルスまで0.5ゲームの位置につけていた。ただ、その後のドジャースは18勝18敗に終わり、ポストシーズン進出を逃した。
また、ゴンザレスは翌年から始まったドジャースの地区連覇に貢献し、2015年はオールスター・ゲームに選ばれたが、ベケットとクロフォードは違った。ベケットは2014年にノーヒッターこそ達成したものの、2シーズンで計28先発しかできず、ドジャースの投手としてポストシーズンのマウンドに立つことはなかった。クロフォードは出場試合が年々減っていき、昨年6月にドジャースから解雇された。この時点で残っていた契約は約3500万ドル。今シーズンのクロフォードの「年俸」は、クレイトン・カーショウとゴンザレスに次ぎ、ドジャースで3番目に高い。