スーパームーンの皆既月食もだが、今日は「ウェサック」です。
今日、スーパームーンの皆既月食が見られるということで、楽しみにしていた人も多い。見られたという情報も一部ではあるが、少なくとも日本のあちこちにいる私の友だちなどは曇りで見られなかったと嘆いている。皆既月食を楽しみにしていただけに残念だ。そんな皆さんにその代わりと言ってはなんですが、満月の今日にまつわるお話を一つしたい。
実は今朝、スリランカに住む私の妹から一枚のカードが届いた。そこに「Happy Vesak Day (ハッピー・ウェサック・デー)」と書かれている。日本では聞きなれない言葉だ。仮にみなさんの所にこのカードが届いたら、頭の中がハテナで一杯になるに違いない。実は5月の満月の今日は、世界のあちこちで「ウェサック祭」が盛大に開催される。仏教徒にとって最大の行事であると言っても過言ではない。ちなみに「ウェサック」は国連の国際デーの一つにも定められている。
ではこの日、何を祝うのかということになるが、キーワードは仏教です。日本では釈迦の誕生日は4月8日で、悟りは12月8日で、入滅は2月15日となっているが世界の常識とは必ずしも一致しない。特にスリランカやタイなどいわゆる上座部仏教が盛んな国では、ブッダの誕生日、悟りと入滅という三つの出来事が5月の満月の日に起きたと信じられている。そしてその日がまさに「ウェサック」ということになる。ウェサックを祝う国にいかれるとこの時期は街中が華やかな提灯に照らされ、お経が聞こえてくる。
少し古く2013年の数字だが、日本に約8470万人が仏教徒であると言われている。しかしほとんどの場合、日本では仏教は、死後の世界のためだけのものになっている。世界のほとんどの仏教がそうであるように、生きている間から仏教を日常に取り入れて楽しむことが日本では見られない。もったいないとも思える。少なくとも今年は間に合わないが、ウェサックを祝う国の友人とこのウェサックカードのやりとりをするだけでも心が豊かになる。
もしかすると日本の最大のおかしみの一つは、キリスト教徒ではないのにキリストの誕生日を盛大に祝い、仏教徒なのにウェサックを祝わないことなのかも知れない。
今日は皆既月食を見られず残念がっている皆さんにも「ハッピー・ウェサック・デー!」