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山本由伸から最初にホームランを打つのは誰!? 日本人投手のメジャーリーグ初被本塁打一覧

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)Dec 27, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 これまでに、メジャーリーグのマウンドに上がった日本人選手のうち、ホームランを打たれなかったのは、イチロー青木宣親(現・東京ヤクルト・スワローズ)しかいない。野手登板の2人を除くと、どの投手の被本塁打も、少なくとも2本を数える。

 彼らがメジャーリーグで最初に打たれたホームランは、以下のとおり。

筆者作成
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 桑田真澄田澤純一の初被本塁打の相手は、どちらもアレックス・ロドリゲスだ。上原浩治村田透も、相手は同じ。2人とも、クリス・デービスに最初のホームランを打たれた。

 上原とデービスは、2011年の夏に、トレードでチームを入れ替わった。上原がボルティモア・オリオールズからテキサス・レンジャーズへ移り、デービスはトミー・ハンターとともにレンジャーズからオリオールズへ移籍した。

 小宮山悟黒田博樹がそれぞれ初めてホームランを打たれた、マーカス・ジャイルズブライアン・ジャイルズは兄弟だ。マーカスが弟、ブライアンは兄。また、小宮山と田澤は、初の被本塁打により、サヨナラ負けを喫した。

 なかには、打たれた日本人投手だけでなく、打った選手にとってもメジャーリーグ初、というホームランもある。1995年5月7日の野茂英雄ビル・スウィフト、2004年4月9日の高津臣吾ババ・クロズビーがそうだ。

 スウィフトは、野茂からホームランを記録した試合で、先発投手として野茂と投げ合った。打ったホームランは、キャリアを通し、この1本が最初で最後だ。1990年代の前半に活躍し、サンフランシスコ・ジャイアンツ時代の1992年は、ナ・リーグ1位の防御率2.08を記録した。クロズビーは、投手ではなく外野手だが、こちらもホームランは少なく、通算205試合で4本に終わった。

 来シーズン、ロサンゼルス・ドジャースは、韓国で開幕を迎える。3月20~21日にサンディエゴ・パドレスと試合を行った後、28日~31日にホームでセントルイス・カーディナルスと対戦する。予定どおりにいけば、山本由伸のメジャーリーグ初登板は、この2カードのいずれかの試合になるだろう。間隔が空いているので、両カードで1登板ずつということもあり得る。

 野茂の例もあるように、山本から最初にホームランを打つ選手を予想するのは難しい。しかも、日本プロ野球で山本が打たれたホームランは少ない。日本プロ野球におけるレギュラーシーズンの通算被本塁打は36本に過ぎず、2023年は2本しかなかった。

 パドレスは、シーズン30本塁打以上を記録したことのある3人、ザンダー・ボガーツフェルナンド・タティースJr.マニー・マチャドを擁する。韓国人選手のハソン・キムは、今シーズンの17本塁打が最多ながら、メジャーデビュー前の2020年に、キウム・ヒーローズで30本のホームランを打っている。

 カーディナルスでは、ポール・ゴールドシュミットノーラン・アレナードの2人がシーズン30本塁打以上の実績あり。WBCで山本とともにプレーしたラーズ・ヌートバーは、3シーズン合わせても33本塁打だが、2023年は14本塁打のうち4本が先頭打者本塁打だった。1番打者として記録したホームランに限ると、10本中4本がそうだ。山本が韓国で投げなかった場合、ヌートバーは、メジャーリーグで誰よりも早く山本と対戦し、試合開始早々に山本からホームランを打つ……かもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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