レノボ「Yoga Book 9i」カフェで目立ちそうな「2画面」ノートパソコン
1月5日(米国時間)、レノボが「2画面」ノートパソコンの新製品を発表しました。見開き2画面を縦向き、横向きの両方で使えるというもので、キーボードを組み合わせるギミックも用意されています。
カフェのような場所で使えば目立つことは間違いなさそうですが、果たして実用性はあるのでしょうか。
見開き2画面を縦と横で使える
米国で開催中の展示会「CES 2023」に合わせてレノボが発表したのが、2画面ノートPC「Yoga Book 9i」です。
一般的なノートパソコンといえば、貝殻のように開く「クラムシェル型」が主流です。開くと、1つの面にディスプレイ、もう1つの面にキーボードやタッチパッドがついています。
この両面をディスプレイにしてしまう、というアイデアはPCメーカー各社が発表していますが、レノボが採用したのは13.3型の有機ELディスプレイを2画面という仕様です。
この本体をスタンドに置く向きによって、縦に2画面、あるいは横に2画面で使えるようになっています。
まず、縦2画面になるように置くと、通常のノートパソコンの画面の上にもう1画面を追加したような見た目になります。スタンドを使わず、机に置いて使うこともできるようです。
見た目にインパクトがあるだけでなく、2画面を「1つの大きな縦長の画面」のように使える機能を備えています。2画面をフルに使って、縦長のWebページのようなコンテンツを表示できるわけです。
横2画面の場合は、1つの画面で本を読みながらもう1つの画面にペン入力でメモを取る、という使い方を示しています。資料を見ながら文書を作るといったビジネス用途にも便利に使えそうです。
ところで、ノートパソコンの2つの面をディスプレイにしてしまったことで、気になるのはキーボードやタッチパッドの行方です。
これにはいくつかの方法が用意されています。まず、付属のキーボードはBluetooth接続で、本体と分離して使えるタイプになっています。
また、ディスプレイにソフトウェアキーボードを表示することで、クラムシェル型ノートパソコンのようにも使えます。これは慣れていないと少し使いにくそうです。
これらの折衷案といえるのが、ディスプレイ上にキーボードを置くというものです。こうすると、キーボードを置いた位置が認識され、残りの部分はタッチパッドやメモ用の領域として使えるようになる仕組みです。
海外向けには2023年6月以降に順次発売予定で、価格は2099.99ドル(約28万円)から。レノボ・ジャパンによれば日本での発表は未定としています。
スマホ最適化で「縦画面」需要も
映画のスクリーンやテレビ画面は横に長いということもあり、ノートパソコンにも横長の画面を搭載することが当たり前になっています。
ただ、ビジネス用途では文書作成が多いことから、縦方向の広さを確保しやすい「16:10」や「3:2」といった縦横比に人気があります。
それに加えて、最近ではスマホの普及により、スマホの縦画面に最適化したコンテンツの需要が高まっています。
だからといって、単純に横長の画面を縦向きにするだけでは横方向に狭くなってしまいます。そこで見開き2画面なら、縦でも横でも使えることから、あらゆる需要に対応できるといえそうです。
実際に使ってみると弱点が見つかるかもしれませんが、縦画面に向き合う時間が増えている人にとっては意外な選択肢になるかもしれません。