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ゴールドグラブとシルバースラッガーのダブル受賞となる可能性があるのは5人。昨年のダブル受賞は0人

宇根夏樹ベースボール・ライター
ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)Sep 16, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 11月4日、シルバースラッガーのファイナリストが発表された。

 一方、ゴールドグラブは、ファイナリストだけでなく、受賞者の発表もすでに終わっている。

 ゴールドグラブを手にした20人のうち、ア・リーグ捕手部門のカル・ローリー(シアトル・マリナーズ)、ア・リーグ一塁手部門のカルロス・サンタナ(ミネソタ・ツインズ/現FA)、ア・リーグ遊撃手部門のボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)、ア・リーグ三塁手部門のアレックス・ブレグマン(ヒューストン・アストロズ/現FA)、ナ・リーグ三塁手部門のマット・チャップマン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)は、シルバースラッガーのファイナリストに名を連ねている。

 彼らを含むポジションにおける、シルバースラッガーのファイナリストは、以下のとおり。2024年のホームラン、打率、出塁率、OPSは、そのポジション以外の出場時も含む。

筆者作成
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 ウィットJr.は、ゴールドグラブに加え、シルバースラッガーも受賞しそうだ。32本塁打は、ガナー・ヘンダーソン(ボルティモア・オリオールズ)より5本少ないものの、打率、出塁率、OPSは、ヘンダーソンとコリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)を上回るだけでなく、明らかな差がある。ウィットJr.は、首位打者を獲得し、出塁率とOPSは、リーグ5位と3位に位置した。また、45二塁打と11三塁打は、どちらも、リーグで2番目に多かった。

 一方、サンタナとブレグマンは、ダブル受賞とはなりそうにない。ア・リーグ一塁手部門のシルバースラッガーは、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が手にするはずだ。ア・リーグ三塁手部門は、ホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)かラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)だろう。ラミレスのような気がする。

 ローリーとチャップマンは、ダブル受賞でもおかしくない。ア・リーグ捕手部門のシルバースラッガーは、ローリーかサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)、ナ・リーグ三塁手部門はチャップマンかマニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)ではないだろうか。

 なお、過去3年のダブル受賞は、2021年が2人、2022年が3人、2023年は0人だ。

 2021年は、ア・リーグ二塁手部門のマーカス・シミエン(当時ブルージェイズ/現レンジャーズ)とナ・リーグ投手部門のマックス・フリード(当時アトランタ・ブレーブス/現FA)がそう。2022年の3人は、いずれもナ・リーグだ。捕手のJ.T.リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)、三塁手のノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)、外野手(ライト)のムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)が、ゴールドグラブとシルバースラッガーを受賞した。

 2024年のシルバースラッガーは、11月12日に受賞者が発表される。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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