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外野手を獲得して内野手をロースターから外す。怪我人が出ているのは内野なのに!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
テイラー・トラメル Feb 23, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月18日、ニューヨーク・ヤンキースは、ロサンゼルス・ドジャースがウェーバーにかけていたテイラー・トラメルを獲得した。

 約半月前、トラメルは、こちらもウェーバーを経由し、シアトル・マリナーズからドジャースへ移籍した。それについては、こちらで書いた。

「過去3年とも打率1割台の選手をドジャースが獲得する。その意図は…」

 トラメルをロースターに入れるため、ヤンキースは、ケビン・スミスをDFAとした。トラメルは外野手、スミスは内野手だ。

 ヤンキースでは、内野手のDJ・ラメイヒューオズワルト・ペラーザが、それぞれ、右足と右肩を痛め、まだ1試合も出場していない。さらに、開幕直前にマイアミ・マーリンズから獲得した、ユーティリティのジョン・バーディも、10日の試合で左の内転筋を痛め、故障者リストに入った。

 一方、外野手のジェイソン・ドミンゲスも離脱しているものの、こちらは、昨シーズンが終わる前からわかっていたことだ。9月下旬に、インターナル・ブレーシング(人工靱帯の使用)を含むトミー・ジョン手術を受けた。

 また、トラメルは、控え外野手のトレント・グリシャムと同じく、左打者だ。

 にもかかわらず、ヤンキースがトラメルを獲得したのは、資質を高く評価しているということだろうか。

 グリシャムは、ここまで10打数0安打だが、サンプル数は少ない上、もともと、打撃ではなく守備を売りとする。過去4シーズンは、サンディエゴ・パドレスでセンターを守り、2020年と2022年は、ゴールドグラブを受賞した。ちなみに、トラメルも、今シーズンの初安打は出ていない。マリナーズの開幕ロースターには入れず、ドジャースで6打数0安打だ。

 あるいは、ラメイヒューに代わり、三塁を守っているオズワルド・カブレラが好調なので、控えの内野手は、ジャマイ・ジョーンズとスミスの2人ではなく、ジョーンズだけでいい、と考えているのかもしれない。故障者リストに入っている3人とも、順調にいけば、4月が終わるまでに復帰できそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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