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過去3年とも打率1割台の選手をドジャースが獲得する。その意図は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
テイラー・トラメル May 31, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月2日、ロサンゼルス・ドジャースは、シアトル・マリナーズからテイラー・トラメルを手に入れた。マリナーズがウェーバーにかけたトラメルに対し、ドジャースが獲得の名乗りを上げた。

 トラメルは、26歳の外野手だ。外野の3ポジションを守ることができる。

 ドジャースでは、ジェイソン・ヘイワードが腰を痛め、ここ2試合続けて欠場している。これから始まる、4月2日のスターティング・ラインナップにも、名前はない。ヘイワードが故障者リストに入る場合に備え、ドジャースは、トラメルを獲得したのではないかと思われる。

 また、センターを守っているジェームズ・アウトマンは、ここまで、打率.095(21打数2安打)と出塁率.269だ。出場6試合中5試合は無安打。3月28日の2安打は、どちらもシングル・ヒットだった。まだ懸念するほどの試合数ではないが、このまま調子が上向かなければ、マイナーリーグ降格もあり得なくはない。

 アウトマンは、来月中旬に27歳となる。今シーズンはメジャーリーグ3年目だが、2022年の出場は4試合なので、実質的には2年目だ。昨シーズンは、新人王投票で3位にランクインした。

 一方、トラメルは、2021~23年の計116試合で、打率.168と出塁率.270、15本塁打と4盗塁、OPS.639。3シーズンとも、打率は1割台、出塁率は2割台だ。このスタッツからすると、打撃は期待できないようにも見える。

 ただ、ドラフト順位は、2016年の全体35位と高い。5年前の三角トレードで、サンディエゴ・パドレスは、クリーブランド・インディアンズに3人を放出し――そのうちの1人は、現・北海道日本ハム・ファイターズのフランミル・レイエス――シンシナティ・レッズからトラメルを得た(翌年の夏、トラメルは、こちらもトレードで、パドレスからマリナーズへ移った)。

 昨シーズン、トラメルは、AAAで85試合に出場し、打率.268と出塁率.390、21本塁打と17盗塁、OPS.920を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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