124年ぶりの2月3日の立春 例年はオホーツク海沿岸を除いて一番寒い時の直後
124年ぶりの立春
地球は太陽の周りを、365.2422日(365日と6時間弱)で周回しています。
このため、宇宙空間に固定した「春分点」を通過する時刻は、毎年0.2422日づつ遅くなり、4年で0.9688日遅れます。
4年ごとにうるう年になって1日増やして調整しますので、うるう年の次の年は0.0312日早くなります。
このようなことから、春分の日は年によって日付けが変わり、2月4日が多いものの、たまに2月3日のこともあれば、稀には2月5日の場合もあります。
令和3年(2021年)の立春は2月3日となりましたが、前回の2月3日の立春は明治30年(1897年)ですので、124年ぶりということになります。
ただ、次の2月3日の立春は、令和7年(2025年)、令和11年(2029年)としばらくは4年ごとにあります。
ちなみに、2月5日の立春は、昭和59年(1984年)にありましたが、当分はありません。
1年で一番寒くなるのは
日本の多くの地方で、一番寒くなるのは1月下旬から立春の間です。
多くの地方の立春は、気温が一番低い時期がすぎ、日差しが長くなってきたと感じる「光の春」となっているときに訪れます。
そして、立春のあとは気温が上がり始め、「気温の春」となります。
東京の最高気温は、令和3年(2021年)にはいってから極端に気温が高い日があったり、気温が平年値くらいまで寒くなったりと、気温変化の大きい日が続いています(図1)。
そして、立春(2月3日)以降は、平年値自体も高くなっていますが、その平年値より高い日がしばらく続く予報です。
最低気温も、立春以降は、ほとんどの日で平年値より高くなっており、今年も立春以降は「気温の春」となりそうです。
ただ、オホーツク海沿岸は例外で、気温が一番低い時は立春のころで、気温が上がり始めるのは、他の地方よりワンテンポ遅れています。
これは、オホーツク海沿岸に流氷が押し寄せるからです。
流氷が接岸していないときは冬とはいえ、陸よりは温かい海に面していますので、極端に温度は下がりません。
しかし、流氷が接岸すると、海は氷でふたをされ、北からの寒気がそのまま南下し、放射冷却で流氷面が冷やされます。
オホーツク海沿岸は、海岸部の気候から内陸部の気候に変わるからです。
オホーツク海沿岸で一番の大都市、網走では、令和2年(2020年)12月中旬以降、真冬日(最高気温が0度未満)の日が続き、令和3年(2021年)中旬以降は真冬日が周期的に出現するという気温変化が大きくなっています(図2)。
立春(2月3日)以降、しばらくは最高気温も最低気温も平年値の上昇はゆるやかで、その平年値を挟んで高い日と低い日がある予報です。
日差しが長くなってきたと感じる「光の春」にはなっていますが、「気温の春」は、もう少し先のようです。
流氷接岸
網走では、1月31日に平年より2日早い流氷接岸初日となりました。
気象庁の予報では、今後1週間、オホーツク海南部の海氷は北海道オホーツク海側の海岸に近づき、接岸する範囲が広がる見込みで、海氷の一部は引き続き根室海峡に流入するとみられています(図3、タイトル画像参照)。
立春の日の北海道
令和3年(2021年)2月3日の立春の日は、北海道を中心に西高東低の冬型の気圧配置となり、日本海側では猛ふぶきや吹きだまりによる交通障害、暴風に警戒が必要です(図4)。
北国の春は、もう少し先のようですが、春は着実に近づいています。
タイトル画像の出典:ウェザーマップ提供。
図1と図2の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ資料をもとに著者作成。
図3、図4の出典:気象庁ホームページ。