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IBFウエルター級暫定王者となった30戦全勝27KOの昇り龍

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Amanda Westcott/SHOWTIME

 ウエルター級の新星ジャロン・"ブーツ"・エニス(30勝27KO)が、カレン・チュハジアを3-0の判定で下してIBF暫定ウエルター級タイトルを手にした。ジャッジは3人とも120-108と採点するワンサイドの内容となった。

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 試合後エニスは、「私は時間をかけて、慌てないことを学んだ。12ラウンド戦ってよかったよ。最高の気分だ。自分はベストコンディションだったと思う。ただ、もう少し手を出す必要があった」と振り返った。そして繋げた。

 「多くの選手が俺とは戦いたがらない。避けられている中で試合を受けてくれたチュハジアに脱帽だよ」

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 IBF同級4位にランクされていたチュハジアは、フットワークを使ってコンビネーションを放ち、カウンターを狙う局面もあったが、ポイントには結び付かなかった。

 Amanda Westcott/SHOWTIME
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 21勝(11KO)2敗となった敗者も言った。

 「エニスのスピードは、これまでの相手と違うレベルだった。でも、言い訳はしない。もっと彼を痛めつけることができればよかったんだけどね」

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 暫定王者となったエニスは、IBFの"本物"のベルトとWBA、WBCタイトルを保持するエロール・スペンス・ジュニアに狙いを定めている。

 彼は結んだ。

 「俺がスペンス戦を希望していることは誰もが知っている。ヤツと試合をする準備万端だ。時期が来るまで待ち続けるよ」

 やはり、スペンスとWBO同級王者のテレンス・クロフォード戦がドル箱カードだが、スペンスvs.エニス戦も興味深いファイトとなりそうだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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