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#iPhoneでマイナンバー!Appleウォレットに『マイナンバー機能』が来春搭載か?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
(写真:ロイター/アフロ)

KNNポール神田です。

2024年5月27日月曜日の『マイナンバーカード改正法』以来、新たな機能が加わりそうだ。
『改正マイナンバー法』で変わる4つのこと 〜2024年5月27日施行〜

□政府は、マイナンバーカード機能のスマートフォンへの搭載を巡り、米アップル「iPhone(アイフォーン)」に対応させる方向で調整に入った。岸田文雄首相とアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が近く電話会談し、合意する見通し。
□スマホへのマイナカード機能搭載は、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」採用の端末に限り昨年5月に先行して導入。アイフォーンへの対応が焦点になっていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/33bb96b022997e2b6d89a4e6ce4586034110e9a7


2024年5月30日、デジタル庁担当大臣の河野太郎氏はX.comでこのようにポストした。

アップル社と来年の春でのiPhoneへのマイナンバーカード機能の搭載で合意できました。「Appleウォレットの身分証明書機能を米国外で展開するのは日本が初となります」(アップル社)

■プライバシー規定に世界で一番うるさい企業がApple

スマートフォンに『マイナンバーカード』機能の搭載を頑なに拒否していたApple側が応じたことは非常に大きいといえる(※詳細は発表されていない)。

Android端末ではGoogle側が、2023年5月で対応していた。
Appleは特に『プライバシー』に関して、厳格な規定を持たせているので、マイナンバーカードの機能を搭載するにあたり、『厳格なプライバシー運用』を国相手といえども、譲らなかったと考えられる。
それが、この度、改正法などもふくめて、Apple側に運用が認められたのは大きな進化と言える。
なんといっても、日本国内でのAppleのシェアは55%(446万台)で他社のシェアを大きく引き離している。また、OS別ではなく、メーカー別のシェアでは圧倒的に多く、単一機種でサポートもしやすくなることも期待できる。

出典:IDC 
出典:IDC 

■岸田首相、ティム・クック直訴でも1年5ヶ月(17ヶ月)もの検討期間

日本国政府も何も対応していなかったのかというとそうではない。岸田総理がAppleのティム・クックCEOに直訴していた事案でもあるからだ。

□2022年12月15日、日本を訪れたAppleのティム・クックCEOが岸田文雄首相と会談した。この時、首相はiPhoneへのマイナンバーカード機能搭載の協力を要請し、クックCEOは「取り組みたい」と前向きに回答すると同時に、日本政府に利用者のプライバシーやセキュリティ保護が損なわれる規制の再考を頼んだという。
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2302/24/news032.html

このことからも、今回のような『マイナンバーの改正案』も含めて、政府のチカラというよりも、世界基準のプライバシーに対してのセキュリティのお眼鏡にかなうような仕様で搭載が可能になったと判断するほうが正しいだろう。

単一の最多機種でOS側からもサポートのあるスマートフォンに『マイナンバーカード』機能が搭載されることにより、単なる『かざし認証』よりも、強力なセキュリティをもった生体認証も利活用できるのは大いなる進化となりそうだ。



ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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