Apple VisionPro日本でも発売!59万9800円から #WWDC2024
2024年6月11日火曜日、今年もアップルのデベロッパーカンファレンスの『WWDC2024』が開幕となった。
オープニングは、空から上級役員たちがパラシュートで降りてくるという開発会議ならではの凝った演出のビデオから。
懐かしの初代iPodも登場
上級副社長のソフトウェア担当のクレイグ・フェデリギがチームを率いる。レインボーカラーのAppleの旧ロゴがあしらわれたユニフォーム。
プライベートジェットもAppleのレインボーカラーがあしらわれている。
スカイダイビングで降下中
パラシュートが開いて公開されるOSの披露のちら見せ
ApplePark のソーラーパネルの上に立つ、ティム・クックがパラシュートをみながら、MCとしてイベントのオープニングを案内する…。
かつては、ジョークやMicrosofへの皮肉を込めた力作ビデオを公開し、デベロッパーの士気を高めるオープニングが成立した。
アイスブレイクとしてユニークなビデオが多い。当然、演じるのも下手くそな演技ほど楽しめた。
しかし、近年のAppleは、演者がうまくなりすぎて、下手な役者に見えてしまうほどだ。Appleによる自画自賛『ジャパネットたかた』や『夢グループ』のCMのようだ。
むしろ、オープニングビデオの後も、全編ビデオで行う『イベント』の意味がわからない。
当初は『生』だと、バグがでてフリーズすると…拍手喝采で、『腕立て伏せ』をするなどで、会場を賑わせていたのがWWDCだった。
新製品発表会ではなく、これからの2024年秋のリリースに向けての開発者の士気を高めるイベントだからこそ、オープニングは『生』にこだわってほしいと感じる。
さて、そんなオープニングのなんのヒネリもないビデオにこだわっていても仕方がない。
今回のトピックとしては、まずは、『AppelVisionPro』が59万9,800円で6月28日(金)から発売ということだ。17日後には日本に登場する。予約は6月14日(金)からだ。このような高価なプロダクトを注文を受けてから2週間で納品できるというのがAppleの凄さでもある。自動車だと色が違うだけで何ヶ月も待たされるのに。
そして、米国でAppleVisionProを買い求めた人たちも、廉価版の『2』が出なかったことに胸をなでおろしていることだろう。
むしろ、世界的なユーザーに展開し『visionOS2』をソフィティケートする必要があるからだ。
https://www.apple.com/jp/shop/buy-vision/apple-vision-pro
そして、このWWDC2024では、『Apple VisionPro』の市場を開拓してくれるデベロッパーのためにツールを提供することに一番の意味がある。
https://www.apple.com/visionos/visionos-2-preview/
■『visionOS 2』APIとフレームワークの提供がされる
開発者がより没入感のある魅力的なアプリを開発できるように、APIとフレームワークが利用できるようになる。
Volumetric APIからTabletop Kit、RealityKitなど、『visionOS 2』には、開発者がエキサイティングな新しい空間体験を創造するために必要なものが搭載されるという。
Volumetric(ボリューメトリック)API
奥行きと空間を最大限に活用し、共有スペースで他のアプリと並んで実行できる、より豊かな空間体験を持つアプリを作成できる。SwiftUIのシーンモディファイアwindowResizabilityを使用することで、ボリュームのサイズを変更できるようになりました。ボリュームは固定または動的なスケールを持つことができるようになり、3Dオブジェクトがユーザーから離れると、サイズが一定に見えるか、離れるにつれて小さくなる。また、オーナメントをボリュームに貼り付けることができるようになった。
テーブルトップキットTabletop Kit
この新しいフレームワークは、カードや駒の操作、配置やレイアウトの確立、ゲームボードの定義などを処理することで、テーブルを中心としたコラボレーション体験を簡単に開発できるようにします。
テーブルゲームなどをより自然に処理できるようになる。
エンタープライズAPI
新しいエンタープライズAPIは、空間バーコードスキャン、Apple Neural Engine、オブジェクトトラッキングパラメータなどへのアクセスを提供します。これは産業用でのニーズで新たなフェイズを獲得するかもしれない。
入力
Apple Vision Proの入力機能が更新され、ユーザの手をデジタルコンテンツの前面に表示するか、背面に表示するかを設定できるようになった。画面の制約を自由に調整できることを意味する。
その他の追加機能
シーンの理解度を高める機能が大幅に拡張された。平面をあらゆる向きで検出できるようになり、周囲の表面にオブジェクトを固定できるようになった。
ルーム・アンカーは、部屋ごとにユーザーの周辺環境を考慮する。また、visionOSの新しいオブジェクトトラッキングAPIでは、ユーザーの周囲の個々のオブジェクトにコンテンツを設置することができるようになった。
https://developer.apple.com/visionos/
まずは、高価であるが、フルスペックの『Apple VisionPro』のソフトウェア向けのアプリを開発者が作り、その後、廉価版の『Apple Vision xxx』のような製品で裾野をひろがていくという戦略ではないだろうか?
まずは、VisionProでなければ体験できない『キラーコンテンツ』や『キラーアプリ』をデベロッパーに開発してもらう必要があるからだ。
■空間コンピューティングの受賞者もまだ限定的
WWDC2024でAppleDesignAwardsも開催されており、ウィナーが発表となった。しかし、まだまだ空間コンピューティングの受賞も限定的で、想定内の範囲のような気がしてならない。
https://developer.apple.com/design/awards/#spatial
次世代の『空間コンピューティング』を牽引するようなキラーアプリの登場が期待される。そう、Appleは、AppleIIでの表計算『VisiCalc(ビジカルク)』、Macintoshでの『Aldus PageMaker』といった牽引するキラーアプリによって、ビジネス市場や印刷市場といった産業を席巻することができた。空間コンピューティングという『ニーズ』から生まれた市場ではないものこそ、デベロッパーの想像力による『思いもしなかった市場』を開発されてはじめて威力を発揮できる。
これから3〜5年後の世界を夢見て、まずは待つという選択肢はある。しかし、開発者はすぐにでも入手し、新たな夢を掴むという選択肢しかないだろう。