大切なのは、片づけができるかできないかではない
私は片づけを通じ、誰かのマネをするのではなく「暮らしを選べる人」を増やす活動を始めて9年目。小中高の4人の子どもを育てる親です。
「片づけが苦手」「どうしたらよいかわからない」という相談に変わり、最近は「このやりかたでよいのだろうか?」「なんだか自信がない」という声をよく聞くようになりました。
「片付け」と検索すれば、約63,100,000件の情報が出てきます。
片づけブームのおかげで、簡単にプロの情報は手に入るし、それを参考に片づけに取り組んでいる人の情報も簡単に見ることができるようになってきました。
だから、自分で片づけに取り組みやすい時代にはなったのでしょう。しかし、その影響で自分のやり方に自信が持てない人が増えてきているようです。
そこで、今日は自分の片づけに自信が持てない人に向けてのお話です。
片づけとは、必要なモノを選び残すこと
我が家は、子ども4人夫婦の6人家族。油断するとモノが増えてしまいます。
だから意識しているのは「選ぶこと」。自分と家族に必要なモノを選び残すのです。
モノが溢れていたら、まず「捨てる」ことが優先だろうと考えられますが、捨てるのが苦手な人は、捨てることができずつまずいてしまうと、どうしようもありません。
しかし、捨てるのが苦手な人でも、捨てるモノ選びではなく、必要なモノ、好きなモノ、大切なモノ選びであれば、取り組みやすいです。
そして、私は「選ぶ」のは、トレーニングだと思っています。
自分に必要なモノは何かを考え、残したものを管理することを繰り返すと、
その経験を元に、自分は何を基準に選べばよいかという軸が出来上がってくるので、選ぶスピードが確実に上がってきます。
また、選ぶことを続けると、失敗も少なくなるので、だんだん自信を持って選べるようになるのです。
暮らしの主導権を握るのは、自分か、それともモノか
自分で残すモノを選べるようになると、家の中のモノの質が変わってきます。誰かが選んだモノ、なんとなく手にしたモノではなく、自分が意思を持って選んだモノばかりになります。
こうなると、暮らしの主導権を握るのは自分。
しかし、気が付いたら増えていたモノの管理に振り回され、片づけをあきらめ、モノが主導権を握っているかのように感じる生活は、自分の暮らしのようで、どこか落ち着かないものです。
片づけができなかった頃、私の暮らしの主導権を握るのは、明らかに私ではなくモノでした。
モノに、場所も、私の頭の中も占領されていたように感じます。
その頃の私のクローゼットには、なんとなく買ったモノ、安いから買ったモノ、店員さんに勧められたから買ったモノなどが溢れていました。
自分のクローゼットなのに、次々と増える洋服に呆れてしまい、管理することすらできなくなってたのです。
しかし、今から15年前、収納スペースの小さい家に引っ越し、仕事もやめ、出産を控え、先が見えない生活に不安になった私は、「これからの生活に何が必要か」を考え、ひたすら服を選んでいきました。
その結果、自分のサイズに合うモノ、そして似合うモノ、お気に入りのモノ、ボタンが取れたらすぐに付け直したくなるような服ばかりになったのです。
ただ洋服が詰め込まれたクローゼットではなく、その時の自分の「好き」や「大切」が詰まったクローゼットは、私に自信を与えてくれました
自分の人生に必要なモノくらいは、自分の意思で選びたい
自分の片づけや暮らしに自信がない人は、片づけができていない自分を責めてしまいます。
でも、生活を続ける上で、モノは家に入ってくるものです。そして、家に入ってきたモノの管理は、一生続きます。
だから、片づけができているか、できていないかで、考えるのではなく、自分軸でモノを選ぶことができているかを意識してはいかがでしょうか。
流行とか、誰かが便利だと言っていたとか、誰かがおススメしていたとか、TVで紹介されていたからという、世間の基準やだれかの基準ではなく、自分の基準で選ぶのです。
散らかった空間をキレイにするのも、非常に大事なことですが、
自分の暮らし、そして自分の人生に必要なモノくらいは、周りに振り回されず、自分の意思で選びたいものです。