今夜はペルセウス座流星群の極大!1時間に何個見える?天気は?見るべき方角は??気象予報士解説
12日夜は、三大流星群のひとつ「ペルセウス座流星群」がピークを迎えます。
(台風に関する解説は一つ前の記事を見てください。)
流れ星の数がもっとも多くなる、いわゆる「極大」のタイミングは12日23時頃と予想されていますが、地上でもっとも多くの流れ星を見られる時間帯は「極大」の時刻とはズレそうです。
一番流れ星が見やすいのは何時頃か、そしてどの方角を見たらよいのか?そして、そもそも流れ星の正体は何なのか?星空準案内人の資格を持つ筆者が解説します。
「極大」は23時頃だけど…?
流星ピークの際によく言われる「極大」というのは、宇宙空間の放射点から流星がもっとも多く放射される時刻なのですが、宇宙から落ちてきた流星(彗星のかけら)が地上からよく見えるには、放射点がある程度、空の高いところにある必要があります。
今回、「極大」の時刻は12日23時頃ですが、実際に流れ星がもっとも多く見られるのは放射点が高くなってくる13日未明〜明け方(東京では3時台)となりそうです。
関東〜沖縄ではこの時間帯、晴れるところが多いですが、山沿いでは12日に夕立が予想されているため夜にかけても雲が残るところがありそうです。
1時間に何個見える?
11日夜〜13日夜にかけては普段より多くの流れ星を見ることができ、12日23時頃には1時間あたり25個程度と予想されます。
さらに、最も多く流星が見られる13日の明け方近く(東京では3時台)には、1時間あたり40個程度。ただし、これは周りが暗い、条件のよい場所での話なので、都市部ではやや数が減るかもしれません。
今回の流星ピークでは14日の明け方近くまで観測が可能と予想されていて、空が暗く見える場所であれば14日明け方近くでも1時間あたり20個程度は見ることができそうです。
しかも今回は、ピーク期間中のどの日も夜中〜明け方の時間帯に月明かりの邪魔がなく、流れ星を見るのにぴったりの条件となりそうです。
どの方角を見るべき?
よく、流れ星に関する解説で、今回の放射点は〇〇の方角だからその方角を見ましょう、といった説明を目にしますが、これはあまり正しくありません。
というのも、そもそも流れ星の放射点は宇宙空間にあり、宇宙から放射状に地球に降り注ぐというスケールの話をしているので、地上で見る人にとっては「空全体から降ってくる」ように見えるからです。
そのため、どの方向かを気にするより、空全体を広く見渡すようにしましょう。
もし都会の明かりが視界に入るようであれば、可能な限り暗い方角を見るのがおすすめ。
なお、空の暗さに目が慣れるまでは15分くらいかかるので、観察を始めて15分はスマホなどを見ずにぼんやり空を眺めているようにしましょう。
そもそも流れ星って何?三大流星群とは??
流れ星は、過去に太陽系のそばを通過していった彗星が残した「かけら」です。
彗星は、太陽系の惑星とは異なり、太陽を囲む同心円から外れた大きな楕円の軌道上を移動しています。
そのうちのいくつかがときどき地球のそばを通ることがあるのですが、その際に彗星の一部が太陽のエネルギーによって砕けて細かい「かけら」のようになり(彗星の「尾」と呼ばれる部分です)、さらにその一部が軌道上に置き去りにされます。
その置き去りにされた「かけら」が、しばらく経つと地球の重力に引かれて落下してくる、というのが流れ星です。
「かけら」は小さいので地球に落下してくる過程で大気圏で燃え尽きます。その燃える光を私たちは見ているのです。
彗星の軌道から、毎年「かけら」が落ちて来やすい季節を計算することができ、中でも多くの「かけら」が落ちてくるのが、「しぶんぎ座流星群」「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」の三大流星群、というわけです。
ちなみに流星群の名前は、放射点がある付近にある星座の名前を取っています。
次の流星群は?
三大流星群のうち、次にやってくるのは12月14日頃に極大を迎える「ふたご座流星群」、その次が年明け1月4日頃の「しぶんぎ座流星群」です。
実はこのほかにも、三大流星群ほどの流れ星の量ではありませんが、流星群はほど毎月やってきます。
今回の流星群をきっかけに興味を持った方はぜひ三大流星群以外の時期にも夜空を眺めてみてください。
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