【日本と海外で違う?】知らないと恥をかく?ワイングラスの正しい持ち方
※お酒は20歳になってから
そうなの!?ワイングラスの持ち方
みなさんはワイングラスの持ち方やマナーを意識したことはあるでしょうか。少しお高めのレストランや、きちんとした食事の席だと頭にふとチラつくことでしょう。
さて、そんなワイングラスの持ち方を解説します。
ワイングラスの持ち方、海外と日本は違うってホント?
ワイングラスの持ち方でWEB検索等をかけますと、一部の主張を見つけることができます。それは、海外と日本でワイングラスの持ち方が異なるという主張です。
ワイングラスは膨らんでいるところが「ボウル」、脚のところが「ステム」、そして、下の円状のお皿部は「プレート」と言います。この記事ではこれらの用語を何度か使いますので、頭の片隅に置いておいてください。
海外は日本と違うとする主張の一部
一般的に、ワイングラスというと細いステム「脚」の部分を持つとされています。これが広く浸透していますが、その前提を大きくひっくり返し「ステム(脚)を持つのは日本人だけ」とするWEBの解説記事が見て取れるのです。加えて、ワイングラスは「ボウル部を持つのが『国際的なマナー』だ」という説があるのです。
ちょっと待った!この主張ホント!?
・ワイングラスのステム(脚)部分を持つのは日本だけである
・国際的な「マナー」ではボウル部分を持つ、もしくはそれが「正しい」
国際的なマナー、と言われると揺らいでしまいますよね。しかしご安心ください。この記事ではこの疑問をすべて解いていきます。同時に、この主張についても解説していきましょう。
このワイングラスはボウル部を持つのが正しい、とする主張は、海外の首脳がワイングラスを持って会食をするシーンを切り抜いたことを発端とします。一部の首脳が会食時にワイングラスの「ボウル」部を持っていたのです。これをみた一部のライターやソムリエが、海外における『正しい』国際的なマナーはボウル部を持つという奇妙な解釈をし、広まったことによります。
『国際的なマナー』もしくは『正しくは』と言われてしまうと、身構えてしまいますが、実際のところはそんなことはありません。
結論としては
ワインのグラスの持ち方は、どのような持ち方でも良いのです。
この記事では「国際的なワイングラスの持ち方」という点をいったん整理することで、これらの主張のもたらす不安を払しょくしていきましょう。
海外のワイン専門誌は「脚を持て」と言っている
まず、世界的な権威・影響力を誇る、アメリカのWine Spectator(ワインスペクテイター)誌という評論誌があります。このWEBサイトでは、消費者のワインに対するQ&Aコーナーとして「ドクターヴィニー」というコーナーがあります。ここには、謎のワイン博士「ドクター・ヴィニー」がワインに関する様々な質問に答えてくれます。
参考:Ask Dr. Vinny: Answers to Everything You Ever Wanted to Know About Wine
https://www.winespectator.com/wine-iq/ask-dr-vinny
世界的なワイン専門誌が回答してくれるということで、信ぴょう性も高いでしょう。このサイトにて「ワイングラスの持ち方」という質問を調べますと、パッと調べただけで3つくらい同じ質問と回答(※1 リンクは記事最後に)がありました。
それらの回答は、ほぼ一貫してワイングラスはステム(脚)部分を持つと記載があります。これらの回答は理論的で
- 急激な温度変化をワインに与えないため
- ワインの液体を回し香りを立たせる「スワリング」を行いやすくするため
- ボウル部を持ち、グラスに指紋が付くと、見た目の優雅さやワインの色の識別にも良くない
とあり、それゆえステム(脚)を持つべきと述べられています。プロフェッショナルの思考では、ワイングラスのステム(脚)を持つことにはきちんと理由があるのです。ゆえに、ワイン会やワイン通が集まる場ではステム(脚)を持つ方が無難。これは覚えておいて損はないといえるでしょう。
専門誌ではなく「一般的には」どうか?
上記は専門的な目線の主張ですが、一般的な、カジュアルな場ではどうでしょうか。言うまでもなく、現在はYouTubeで海外のワインバーや、この記事でも多用しているような海外のフリー画像を用いることができます。
複数の画像から見てわかるように「いずれの場所も持つ」です。YouTubeでも「wine bar」と検索をかけ、動画を見るだけでも、ボウル派、ステムを持つ派、おおむね半々くらいの構成で海外の方々がワインを楽しむ姿を見ることができます。
よって、どちらかが間違っているというわけでもなく、ましてや国際的なマナーという言葉は非常に不確かなものであるといえます。さらにいうと17世紀、18世紀の絵画などでもステムやボウル部を持つ絵画がありますので、これらも裏打ちとなるといえます。
ワイングラスメーカーは脚なしのグラスを開発
さて、ワイングラスメーカーの大手リーデル社は、現在脚なしのグラスを販売しています。グラスの名前は「リーデル・オー」。これらは当然、脚を持つまでもありません。このグラス、食卓などでも気取らず使えて個人的におすすめしたいグラスの一つです。
よって、「必ずしも脚を持つことに固執することはない」と言えるでしょう。
TPOで使い分けよう
各国の首脳がワイングラスのボウル部を持つ理由はなぜだったのか。
単純にマナーを知らなかったから?などと考えるのは短角的です。
ワイングラスの脚の部分を持つことは、上品に見える一方で、不安定な持ち方です。
つまり、ボウル部を持っているのは立食パーティー等でうっかり相手にワインをかけてしまった…などというミスがないように、配慮しての持ち方ではないでしょうか。
気を付けたいのは「正式な」「正しい」「国際的な」「海外の本場は」という言葉を鵜のみにしてしまうことです。
少なくともこの記事をご覧になってくださった方は、どうぞ周りのワイングラスの持ち方にそこまで大きく干渉せず、正しく見えるような知識を振りかざさないようお願いできればと思います。
最後に、海外サイトのAIで作成した「ワイングラスを持つ男」を掲載してこの記事を終わりたいと思います。
出典:Canva生成 AI画像「wine glass hold man」
いや、二つとも持つんかい!!!
注釈 ※1 Wine Spectator Dr.vinny ワイングラスの持ち方
http://www.winespectator.com/drvinny/show/id/5410