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台風24号と台風25号は週末に接近しあう予想に、複雑な動きをする可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

11月としては統計史上初めて、4個の台風が同時に発生している状態でしたが、台風22号はベトナムに上陸し、きょう12日(火)午後3時に熱帯低気圧に変わりました。また南シナ海の台風23号も、今後西進を続けて、熱帯低気圧に変わる見込みです。

台風25号は沖縄に接近するのか?

台風25号の予報円(ウェザーマップ)
台風25号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風予報円(気象庁発表)

台風25号は、フィリピンの東海上を足早に西北西に進んでいます。今後も比較的速い速度で、発達しながら北西方向へ進み、15日(金)午後3時には台湾の南海上に達する見込みです。この時点での予報円の半径は185キロと小さく、計算は揃っている状態です。

ところがこの後、16日(土)から17日(日)にかけての計算は、台湾あるいは後述する台風24号の影響もあってか、ばらつきが大きくなり、17日(日)午後3時の予報円の半径は、460キロと一気に大きくなっています。

つまり週末にかけての進路予想は、ぶれ幅がかなり大きいことを表していて、東寄りの進路をとれば、週末に台風として、石垣島などに接近する可能性は高くなり、また最も東寄りの進路をとれば、沖縄本島に近づく可能性もある状態です。一方、南寄りの進路をとれば、フィリピンの北側に戻っていく可能性も考えられます。

欧州モデルでは沖縄本島に接近

ECMWFの予想(weather-models.infoのコンテンツを、事前許可を得て転載)
ECMWFの予想(weather-models.infoのコンテンツを、事前許可を得て転載)

参考までに、上図は最新の欧州(ECMWF)モデルですが、台風25号と思われる低気圧は、気象庁の予報円よりも東進し、17日(日)午後3時には、その中心が沖縄本島付近に達している計算です。

週末は、台風25号の影響で、東シナ海方面で雨雲が発達する予想となっていて、先日記録的な大雨に見舞われた沖縄本島から奄美地方にかけて、再び活発な雨雲が広がる可能性があります。仮に台風25号が台湾付近で衰弱したとしても、周辺の暖湿気の影響で、大雨の降りやすい状態が予想されますので、十分な注意が必要です。

後からやってくる台風24号と台風25号が接近しあう?

台風24号の予報円(ウェザーマップ)
台風24号の予報円(ウェザーマップ)

グアム島付近にある台風24号は、西進しながら熱帯低気圧に変わる予想でしたが、きのう11日(月)午後の予報円から台風のまま西進する予想となり、しかも予報円が更新されるたびに勢力が強まる予想に変わってきています。

きょう12日(火)午後3時に発表された予報円では、週末の16日(土)から17日(日)にかけて、非常に強い勢力でフィリピン北部に近づく予想です。週末といえば、台風25号が台湾から沖縄付近に位置している予想でもあり、これらの台風同士が1000キロ以内に近づき、干渉しあって、複雑な動きをする可能性も考えられます。最新の動向にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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