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7月28日土曜日は早起きしよう -今年2回目の皆既月食は「月没帯食」-

縣秀彦自然科学研究機構 国立天文台 准教授
7月28日早朝の皆既月食、日本では食の状態のまま沈む「月没帯食」となります。(写真:アフロ)

今年2回目の皆既月食

 今年1月31日深夜の皆既月食は、当日予想されていたほど天候が崩れず、全国各地で上空高くに赤銅色に変わった満月を楽しまれた方が多かったようです。そして、今年2回目の皆既月食は、子どもたちにとっては夏休みの最中、7月28日(土)の明け方に起こります。夜明け前の観察しにくい時間帯ではありますが、幸い土曜日の朝の現象ですので、早起きして家族で楽しんでみてはいかがでしょう? 主に薄明中の現象とはいえ、薄暗い時間帯ですので、家の外で観察する場合は、安全面や熱中症対策など充分に備えて臨みましょう。

今回の月食の見え方 火星の位置にも注目 (提供:国立天文台天文情報センター)
今回の月食の見え方 火星の位置にも注目 (提供:国立天文台天文情報センター)

 今回の皆既月食は、日本各地からは月食中に月が西寄りの空に沈んでしまう「月没帯食」という現象になります。早朝3時24分に満月が南西の空で欠け始め、皆既食は4時30分に始まります(月食においては、各現象の起こる時刻は全国各地同一の時刻です)。このため、西日本のほうが観察に有利です。実際、地平線・水平線まで開けている場所でも、南西部の一部を除いた北海道全域と青森県・岩手県のそれぞれ北東部では、月が欠け始め皆既食となる前に月が欠けたまま沈んでしまいます。日本各地その他の地域でも、皆既食の状態で月が沈んで行きますが、西に行くほど長い時間、皆既の状態を見ることが出来ます。皆既食は、6時14分まで1時間44分も続くのですが、日本では、どこでもこの時刻よりも早く月が沈んでしまうため、皆既食の後の満月が復元する様子は見ることができません(今回の月食の全過程を見られるのはインド、中東、西側を除くアフリカ大陸などです)。

皆既中の月の様子(2011年12月10日の皆既月食 提供:国立天文台)
皆既中の月の様子(2011年12月10日の皆既月食 提供:国立天文台)

 今回の月食について、詳しい情報は国立天文台ウェブの特設ページ「皆既月食(2018年7月28日)」をご参照下さい。日本の主な都市における主な現象とその時の月の高度、さらに月が沈む時刻についても記載されています。また、さらに詳しく、お住まいの地域での月食中の月の位置や欠ける方向は、国立天文台天文情報センター 暦計算室の「月食各地予報」で調べることができますのでご活用下さい。

 夏休みの自由研究など、さらに詳しく月食について知りたい方は、同じく国立天文台の「月食とは」、または、日本天文学会の天文学辞典「月食」などをご利用下さい。

自然科学研究機構 国立天文台 准教授

1961年長野県大町市八坂生まれ(現在、信濃大町観光大使)。NHK高校講座、ラジオ深夜便にレギュラー出演中。国際天文学連合(IAU)国際普及室所属。国立天文台で天文教育と天文学の普及活動を担当。専門は天文教育(教育学博士)。「科学を文化に」、「世界を元気に」を合言葉に世界中を飛び回っている。

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