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主な新興国/米国経済ニュース(30日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ハーレーダビッドソン、2014年型12万6千台をリコール―クラッチ不具合で

米オートバイ大手ハーレーダビッドソン<HOG>は2014年型の全車種、計12万6000台をリコール(無償回収・修理)したこ。リコールは油圧クラッチに不具合が見つかり、放置すると衝突事故を引き起こす可能性があるとしている。米経済専門オンラインメディア、CNNマネーなどが28日に伝えた。

リコール対象車には自動3輪車や注文生産車も含まれる。同社は昨年10月にも同じ不具合で、2014年型のツーリングバイクをリコールしている。問題の油圧クラッチは、クラッチを切ることができず、その結果、車体がひっくり返り衝突事故を起こす可能性があるとしている。同社によると、これまでにこの不具合が原因とみられる交通事故は19件報告されたが、重傷者は出ていないとしている。同社ではリコールでクラッチのマスターシリンダーを修理するとしている、

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アップル、EUから租税回避で数千億円の罰金の可能性

米IT大手アップル<AAPL>が米国での租税回避の目的で、法人税が極端に低いアイルランドの子会社に利益を集中させていた問題で、EU(欧州連合)当局から数十億ユーロ(数千億円)の罰金の支払いを求められる可能性が出てきた。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が28日に伝えた。

これは、いわゆる“租税回避の聖杯”と呼ばれるもので、多国籍企業は自国の高い法人税課税を避けるため、アイルランドなど法人税が低い国の子会社に利益を集中させることで節税している。この問題をめぐっては、米上院の行政監察小委員会が昨年5月に、アイルランドは租税回避地になっており、アップルは1991年と2007年にアイルランド税当局との交渉で特別に2%という低い法人税率の適用を受け、同国の子会社に数十億ドル(数千億円)の利益を集中させて米国での課税逃れていたとの報告書をまとめている。

一方、EUの行政執行機関であるEC(欧州委員会)もアップルの租税回避問題について調査に乗り出しており、米上院小委員会の報告内容が立証されれば、アップルはアイルランド税当局から違法な金融支援を受けたことになり、アップルに対し多額の罰金の支払いを命じる可能性がある。ECは今週中に調査結果を公表する予定だ。

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グッドイヤー、タイヤ原料にもみ殻灰由来のシリカの利用に乗り出す

米タイヤ大手グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー<GT>は、稲のもみ殻の焼却灰からタイヤ原料として使われているシリカ(ケイ酸)を作り出すことで環境に配慮した高級タイヤの生産に向けて動き出した。米経済専門テレビ局フォックス・ビジネス(電子版)などが28日に伝えた。

同社ではもみ殻灰をタイヤ原料のシリカに転換する技術を開発しており、現在、グッドイヤーはもみ殻の焼却灰から年間数万トンのシリカを生産することを目指して、アジアの企業と提携したばかりで、今後、徐々に生産を拡大していく。従来、シリカは砂を華氏2500度(セ氏1370度)で焼いて作るが、もみ殻を使えば同212度(同100度)でできるため、経済的に有利となっている。

シリカはここ20年間、タイヤ製造に使われてきており、タイヤの路面との摩擦抵抗を減らす作用があり、それによって自動車エンジンの性能を高め、燃料消費を抑制する効果が期待されている。また、シリカを用いたタイヤは転がり抵抗が低いタイヤとなるが、雨天走行時には濡れた路面をしっかり捉えるグリップ力もある。

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ブラジル中銀週報:2014年GDP伸び率を18週連続で下方修正

ブラジル中央銀行が29日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した2014年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは、前週予想の前年比0.3%増から0.29%増へ下方修正された。下方修正は18週連続。1カ月前の予想は0.52%増だった。また、2015年のGDP伸び率見通しは前週予想の同1.01%増のまま据え置かれた。1カ月前の予想は1.1%増だった。

IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2014年は前週予想の前年比6.3%上昇から6.31%上昇へ下方修正(悪化方向)された。下方修正は2週連続。1カ月前の予想は6.27%上昇だった。2015年の見通しも前週予想の6.28%上昇から6.3%上昇へ下方修正された。1カ月前の予想は6.29%上昇だった。

2014年末時点の政策金利見通しは、前週予想の11%のまま据え置かれた。据え置きは17週連続。1カ月前の予想も11%だった。しかし、2015年末時点の見通しは前週予想の11.25%から11.38%へ引き上げられた。1カ月前の予想は11.75%だった。次回10月28-29日の金融政策決定会合時の政策金利の見通しは前週予想の11%のまま据え置かれた。据え置きは19週連続。

為替レートの見通しは、2014年末時点のレアルの対ドルレート(中央値)は、前週予想の1ドル=2.34レアルから2.35レアルへ引き上げられた。引き上げは2週連続。2015年末時点の対ドルレートは前週予想の2.45レアルのまま据え置かれた。据え置きは2週連続。

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EU、ウクライナとの自由貿易圏の設定を2016年1月まで先送りで合意

EU(欧州連合)は29日、6月にウクライナと締結した連合協定(EU加盟を前提としたEUとの法的枠組みを定めた国際条約)とその中核をなす自由貿易協定の実施方法について、自由貿易圏の設定は2016年1月1日まで先送りすることを明らかにした。

その理由について、EUは声明文で、「ウクライナの包括的和平を実現するための努力の一環だ」としている。ロシア政府はこの日、EUやウクライナのどちらか一方でも自由貿易協定の実施を推進した場合には第2弾の西側への報復制裁を発動すると警告しており、EUとウクライナも、自由貿易協定の実施を2016年1月まで見合わせることで合意している。

ロシア政府は自由貿易圏が設定されればウクライナから安価な欧州製品がロシアに大量に輸出され、ロシア経済が打撃を受けると警告している。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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