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円熟の受け師・木村一基九段(48)百折不撓で王座挑戦権獲得! 会長・佐藤康光九段(51)は挑決で敗退

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月19日。東京・将棋会館において第69期王座戦挑戦者決定戦▲佐藤康光九段(51歳)-△木村一基九段(48歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 9時に始まった対局は20時32分に終局。結果は132手で木村九段の勝ちとなりました。

 木村九段は永瀬拓矢王座(28歳)への挑戦権を獲得。五番勝負は9月1日に開幕します。

木村九段「難しくてよくわかりませんでした。(戦型は矢倉で)後手番としてはまあまあかと思ってたんですけど、結局、攻められることになったので、ちょっと、どうかなあ、と思ってました。(最後、勝ちになったと思ったのは、自玉が)詰まないかなあ、と。(いまの気持ちは)うれしいです。(永瀬王座は)充実してる方なので、せいいっぱい、体調を整えて頑張りたいと思います」

佐藤九段「ちょっと苦しめの将棋かなと思ってたんですけど。少し持ち直したかなと思ったんですけど、ちょっと・・・攻め急いでしまったかもしれないですね。(相手陣の)桂馬を取って金銀を取れる形になったので、少し難しくなったかなとは思ってたんですけど。(現役会長がタイトル戦登場となれば、1986年、大山康晴15世名人が名人戦七番勝負に登場して以来だったが)そうですね・・・。いやまあちょっと、大山先生の記録はさすがにちょっとおそれ多いので(苦笑)。いやいやまあ、そういうことは全然考えてなかったですけど。まあでもちょっと残念ですけど、最後、最善を尽くしたかったなあ、という感じがしました。ちょっと実力不足かなと思います。(AI研究が一般化、若手が台頭、自身は会長職にあるという状況でここまで勝ち上がってきたが)自信はあるんですけど、なかなか結果につながらないので、いつも。久々にチャンスかな、とは思ったんですけど。歳はかなりいってますけど、強くなれるとは思っているので。ミスをなくすことがやっぱり課題ですかね」

 木村九段は昨年、王位戦七番勝負で藤井聡太挑戦者に敗れ、失冠して以来のタイトル戦登場となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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