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大谷翔平が惜しくも逃した「登板した試合でサイクル安打」は誰が達成しているのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)May 15, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月15日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、7イニングを投げて5点を取られたものの、エンジェルスが9対5で勝利を収め、白星を手にした。

 打者としては、6打席に立ち、5打数4安打を記録した。四球、シングル・ヒット、3ラン本塁打、三塁打、二塁ゴロ、シングル・ヒット。4打席を終えた時点でサイクル・ヒットにリーチをかけ、二塁打を打てば、2019年6月19日に続く2度目の達成となっていた。

 4年前にサイクル・ヒットを記録した試合で、大谷はマウンドには上がっていない。イライアス・スポーツ・ビューローなどによると、ナ・リーグとア・リーグにおいて、登板した試合でサイクル・ヒットを達成したのは、1888年7月28日のジミー・ライアンしかいないという。

 ライアンの場合、4種の安打すべてを投手として打ったわけではない。センターとして先発出場し、途中からマウンドに上がった。とはいえ、今日の野手登板のような短いイニングではなかったらしい。SABR(ソサイエティ・フォー・アメリカン・ベースボール・リサーチ)のメンバーであるマイク・ヒューバーの記事には、この試合でライアンは7.1イニングを投げたと記されている。

 一方、1894年9月28日にサイクル・ヒットを達成したトム・パロットは、この試合こそ野手として出場し、登板はしていないものの、シーズン全体としては投手出場のほうが多く、300イニング以上を投げた。

 なお、今年4月には、インディアナポリス大(NCAAディビジョンⅡ)のブレイディ・ウェアが、同じ試合でサイクル・ヒットとノーヒッター(7イニング)を成し遂げている。

 5月15日の大谷については、こちらでも書いた。

「大谷翔平が同じ試合でホームランを打たれてホームランを打つのは2度目」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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