ポルシェ・ジャパンが示す「3つの約束」【動画あり】
ポルシェ・ジャパンは7月1日、新オフィスを構えた虎ノ門ヒルズにおいて、「キーノート2016」を開催した。
日本法人を設立して20周年を迎えたポルシェ・ジャパンは今回、自分たちのミッションとして「3つの約束」を声明として発表した。これを代表取締役社長である七五三木(しめき)敏幸氏が自ら説明を行なった。
3つの約束とは、
1. 魅力的なポルシェを提供し続けることで、日本の消費を刺激する。
2. クラシックポルシェの継続的メンテナンス/PHEVのさらなる拡大/ゼロエミッションスポーツカーの導入
3. ユーザーへのスポーツドライビング体験の提供/参加型モータースポーツへの継続的なサポート
というもの。これらは今までもポルシェ・ジャパンが活動してきたことではあり、新たな部分でいえばクラシックポルシェへの継続的なメンテナンスに力を注ぐことはユニーク。新たなクルマだけでなく古いクルマを大切に維持することも環境保全のひとつ、と語った点は興味深かった。またトレンドとなっているPHEVをラインナップの中でさらに拡大することや、ゼロエミッションスポーツカーの導入も新たなトピックといえる事項だが、これらは少し先の将来の話となる。しかし今回のキーノートのポイントは、ポルシェ・ジャパンが「あえて」声明を出したことといえるだろう。
というのも輸入車ブランドが日本市場においてこうした声明を発表するのは稀なことだからだ。代表取締役社長である七五三(しめき)木敏幸氏は最後の質疑応答でこう言っていた。
「ポルシェというクルマは日本でも多くの人に知られていますが、ではそれを販売しているポルシェ・ジャパンについて知っている方はとても少ないと感じています。それだけに我々には『ただ単にポルシェを輸入するだけの会社で終わりたくない』という想いがありました。そこで我々はポルシェ・ジャパンという会社をもっと皆さんに知っていただきたいと思いました。またその上でなぜこのモデルを送り出しているのか? 日本の市場や社会に商品を通して何を問うているのか? そうしたところまで興味を抱いていただけるようになり、我々の今後の施策や商品に共鳴いただければと思います」
つまりポルシェ・ジャパンは、いちインポーターではなく日本に居を構えるひとつの企業体として、日本の市場や社会に貢献していくことを声明として発表したわけだ。
今回、ドイツ本社からこのキーノートのために来日したセールス&マーケティングのボードメンバーであるDetlev von Platen氏も、
「ポルシェにとって日本の市場はとても重要な市場であり、我々の技術について世界でも特に興味を持ってくれている市場でもある」
と語ったように、日本はポルシェにとって世界5位となる重要な市場であると同時に、世界でもっとも911というスポーツカーの販売台数が多い市場である。そして2015年には6500台以上のセールスを記録している。
またこの日は同時に、新型の718ケイマンがジャパン・プレミアされた。このモデルは先日発表された718ボクスターとともに、新時代に向けて開発した新たな水平対向4気筒ターボ・エンジンを搭載したモデルである。
ポルシェ・ジャパンとしては日本の市場において、これまでにない声明を発表し改めて存在感を示すことで新たな時代の扉を開こうという意味合いがあるのだろう。その意味では20周年を経て新たに生まれ変わったポルシェ・ジャパンの今後の動きに期待したい。